概要
それは、永遠に完成しない歌。
「曲だけは大昔からあるんだけど、ひとつの作品としては永遠に完成しないの」――湊本千紗は友人の朝霞ひばりから、尸童囃(よりわらばやし)と呼ばれる不思議な歌を聴かされる。毎年夏祭りの夜、新たな旋律が重ねられることで、それは永久に絶えない祈りの歌として存続するのだという。街代表の歌姫「尸童」の筆頭候補である久世環と知り合った千紗は、祭りやその由来となった物語に惹かれ、調べはじめる。一方で千紗の義理の妹、伶は、ある思惑のもとで密かに行動を起こしており――。歌うたいの娘と被り物の神の伝承、夜の街を満たす灯、そして歌声。「物語」と「音楽」に憑かれた者たちの織り成す、和風ダークファンタジー。
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