概要
先生、見て見ぬ振りを、してくれますか。
北方戦争が終結し戦線から戻った衛士フレイセルは、魔術学校にいる恩師ヴェイルを訪ねる。変わらない人と、新しい顔ぶれと、変わってしまった自分。フレイセルは思い悩みながら、自分の居場所を探す。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!星三つじゃ足りない……
この小説を読み終えた時にまず思った事は、星三つでは足りない。
前作のビタークラウンを読んだ時点で、文章が丁寧で読みやすいお話だなと星三つの評価を出しているのに、この作品はそれを遥かに上回るお話だった。
そして、この感動をどう言えば伝わるのだろうか。
これほどに文章を読んで、感想に悩んだ事は今までに一度もない。
頭のなかで何度も文章を練り直し、この作品の素晴らしさを書こうとする度に頭を過るのが「これほど完成された作品に自分が説明を入れる事こそ蛇足なのではないか?」という葛藤だった。
ここまで書いて、何もこのお話の内容を説明していない事にこの作品を読んでいない人なら疑問を抱くかもし…続きを読む - ★★ Very Good!!ファンタジーものでは新鮮な人間ドラマ
本編を読む以前にワールドガイドの方を拝見し、世界観に惹かれて読み始めました。
舞台となる世界そのものから、その世界にある国、そしてその国の中の一つの学校……と、マクロな部分からミクロな点まで書かれていますが、中でも驚いたのは国の設定です。
歴史に始まり地理や他国との関係、政治経済に加えて交通事情まで書かれています。これらの情報が、本来存在しない”魔術師たちの国”に、現実感を与えてくれました。
物語は戦争が終わった時点から始まっていますが、上述の詳細な設定の数々は、「戦争中の出来事を描いた戦記物として読んでみたい!」と若干の惜しいという気持ちすら感じさせてくれます。というか私が読みたい…続きを読む