第26話 何かが、おかしい


「テトロ、ダイジョウブ?」


 オレンジ色の世界。

 あのロボットがいる。


「あれ?どうしてここに……?」


「トツゼン、アラワレタ」


「そっか」


 ここは、なんとなく落ち着く。始めにきた場所だからだろうか。



 なんだか色々あり過ぎて、よくわからない。


 もう、どれくらいの時間が経ったのだろう。

 そもそも、ここに時間があるかはわからないんだったっけ。


 父さんに会いたいな。

 そして、目玉焼きを食べたい。



 パリパリという音がまた聞こえた。


 ん?

 目玉焼きって、どんな味だったっけ。

 っていうか、味ってなんだ……?


 思い出せない。


「テトロ、ごめんなさい。ボクのせい、なんだ」


「ロボット君……?」


 さっきまでと、何かが違う。


 ロボットの顔色が明らかに悪いからだろうか。


 いや、それだけじゃない。


 何かが……


「薬なんて、なかった。でしょう?」


 なんのことか、わからなかった。


「薬、探しに来た。違う?」


 思い出した、おじさんだ。

 治すための薬を取ってこいって言ったのは。


 結局、薬ってなんだったのかな。




 突然閃光が走ったかのように、ここに来た時の記憶がはっきりと蘇る。

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