大さじ二分の一ロボット

🌻さくらんぼ

第1話 白く、果てしなく広がる空間

 * * *


「おいで」


 白く、果てしなく広がる空間。


 遠くで、誰かが僕を呼んでいる。



 柔らかくて、温かな声。

 女性の声だ。


 でも、誰なのかはわからない。


 なぜか、なんとなく嫌な感じもする……訳ないか。




「おいで」


 もう一度、その言葉が白い世界の中で弱く響いた。


 今すぐそっちに行きたい。


 僕に向けられている言葉ではないかもしれないのに、自然とそう思ってしまう。



 でも、それとは反対側からも、低い声が聞こえたような…?


 いや、だだの気のせいだ。




「さぁ、おいで」


 ほら、やっぱり呼ばれているんだ。




 僕の足が、それに答えるように、一歩前へと進んでいく……




 * * *

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