秘境レストランへ、ようこそ

　凡そ百年前、突如として太平洋上に巨大な島が浮かび上がった。

　前代未聞の出来事にその島は世界からの注目を集めた。だが、未開の島の探索へと向かったＧ７各国より選りすぐられた精鋭部隊からの連絡が途絶え、次いで島へ上陸したのは著名な探検家及び冒険家から選ばれた十名だった。
　しかし、無事に帰還したのは三名のみ。曰く――
「先行した精鋭部隊の姿は無く全滅したものと思われる」
「島には化物が住んでいる。生物だけなく植物、気候すらも人間を拒んでいる」
「だが……偶然食べた生き物の肉は想像を絶するほどの美味だった」
　それを期に、世界連合は島を秘境島と名付け、島への渡航を禁止した。
　ただし、数人を除いて――

　その数人とは、生存者の言葉を受けて世界連合に協定を持ち掛けた冒険家や料理人だった。最初こ…続きを読む