第4話日本昔ばなし(笑)
昔々ある所に冴えないけど正直者の男が居ったそうな。
あるとき男は畑仕事のあと池のほとりで一休みしていた。男はポロシャツを木の枝に掛け、手ぬぐいで身体の汗を拭いていた。そのときだった。強風に煽られたポロシャツが池に落ちてしまったのだ。男が困り果てていると、池の中から神々しい光と共に、それは、それは美しい女神様が現れた。
女神様は男に向かってこう云った。
「あなたの落としたのは、このボロシャツですか?」
「いいえ違います」
「それじゃ、このポロリシャツですか?」
「いいえ違います」
「それならば、このポロシャツですか?」
「はい。それです」
「あなたはとても正直者ですね。そんなあなたにこれを差し上げましょう」
そういって渡されたものは、ポロリシャツだった。
「違います。これではありません」と、男は云ったが、とき既に遅く、女神様は目の前から消えていた。
男は途方に暮れた。
男が途方に暮れていると、いつのまにか女神様からいただいた服が乾いたので、男は女神様を待つのを諦めて家路に着くことにした。
途中、雨が降ってきたので、大きな木の下で雨宿りしていると、若い娘がずぶ濡れになりながら、その木に駆け込んできた。ずぶ濡れになった若い娘を可哀想に思った男は自分が着ていた"あのポロリシャツ"を娘に貸してやった。
娘は凄く喜び、濡れた上着を脱いでそのポロリシャツを着たところ、どういう訳かブラが外れてオッパイがポロリと見えてしまった。
男は仰天したが、娘がいそいそと胸を隠そうとする姿から目が離せなかった。
娘は開けた胸を隠し終えると、恥ずかしそうに「ごめんなさい。恥ずかしい所をお見せてしまって」と、頭を下げた。
男は娘の愛らしさに呆然としていると、その娘が、"あの女神様"にそっくりだということに気づいた。
雨が止み、空に後光が射す。
娘が去っていくと、男は涙しながら手を合わせたという。
おしまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます