第9話三人寄れば文殊の知恵?
ある日、三人で鍋を食べようとして、どういう風に具材を入れ、食べるのが良いのかという議論になった。
そのうち二人の議論が白熱してきた。
俺は黙って静観していたが、一向に鍋の準備が出来ないでいるのに苛立っていた。
「こっちにはこっちの言い分があるんだ」
「俺にも言い分があるんだ」
「つまり二人とも、イーブンイーブンってこと?」
俺は投げやりに言葉を放った。
俺の言葉に二人は目を見合わせ、そしてこう言った。
「鍋より旨いこと言うね」
そうして三人は笑いあった。
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