第6話仮面ライダーのお面のお話

まだ俺が小ちゃかった頃、おとんがお祭りに連れて行ってくれた。

そのとき屋台で見つけた仮面ライダーのお面が欲しくて駄々をこねたのだが「すぐあきるやろ」と言って、こうてくれなかった。

次の日もぐずって泣いていると、おとんは段ボールで器用にお面をこさえてくれた。それがあまりにも良い出来だったので、喜び勇んで近所の友達にそれを見せびらかすと、友達は「それバッタもんやろ」と言ったので「バッタじゃない。仮面ライダーや」と言い返した。

大人になった今、友達が言った『バッタもんやろ』と仮面ライダーが、バッタをモチーフにしていることを知り、俺はクスリと笑った。

あの頃は若かったな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る