第26話自意識過剰!!
私は自意識過剰で、車内ではみんなにこっそり自意識課長などと呼ばれている。
ある飲み会の席で私は部下の一人、小林にそのことを聞いた。
「私はそんなに自意識過剰なのかね」
小林は困った顔をして、「いや、なんて言いましょうか、周りによく気を使い気配りが出来るお人だと常々思っています」
「そんなおべんちゃらはいい。正直に言ってくれ」
小林が困っていると、女性社員の清水が助け舟を出してくれた。
「別に自意識過剰でもよいではありませんか。確かに自分が他人からどう思われるのが気になるかもしれませんが、人によく見られたい感情もあるわけで、課長はその分、皆に好かれようと努力しています。それは下で働く者にとっては働きやすい環境です」
「そうかね。清水くんありがとう。そう言ってくれると私も気が楽になった気がする」
その後、飲み会は無礼講で盛り上がり、皆、酔いもだいぶ回っていた。
そんなとき私は大いに酔っ払って、こんなことを大声で言ってしまった。
「実は痔でさー。なにをするにもお尻を気にしちゃうんだよね。これがほんとの、自意識過剰なんちゃって」
部下の一人、大林が「自意識過剰もそこまでくれば大したもんだ」と言ったもんだから皆が大笑いした。
その後、部下たちが私のことを話をしているので、おもわず立ち聞きしていると、自意識課長のじだけ、なんか強調しているように聞こえた。
次の日、私はトイレに篭り、痔と戦いながら、「自意識過剰は自なんだよな〜。しかも次男だし、私は自分と戦い続ける運命なのか。じだけに。とほほほ……」と嘆いた。
脚注:もちもんさんに、コメントいただき、自意識係長から、自意識課長に昇進しました。
もちもんさん。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
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