お風呂……

「生き返るわ〜……」

「ふふ……よかった」

「いい湯だな〜」

「そうですねぇ〜」



「…………」

「…………」


「…………なぁ?」

「はい?」



「……なんでいんの?ここ風呂、僕全裸」

「ええ、眼福です。私のも見納めなので記憶に刻んでおいてください。」

「恥ずいわ、普通に狭いわ」


「でも、一緒に入ります?って聞いたらひっついて離れなくなったの先輩の方ですよ⁉︎決してやましい理由で一緒に入ったとかではなくて……いや、そりゃ少しはやましい理由もなくはないですけど……」


「……ああ、そうだったか、記憶があやふやになってるな、すまない、迷惑かけたな」

「いえいえ、こちらとしても役得と言わざるを得ないですし〜……かなり混乱されてましたからね〜」


「…………そうか」

「はい…………」



「……何があったか聞かないのか?」

「はい。」

「いいやつだな。」

「いいやつですよ?先輩のためなら一肌もふた肌も脱ぎます‼︎リアルにも‼︎ホラ‼︎」

「……そんないい奴にもう少しだけ甘えて愚痴る。」

「(スル〜……)……どうぞ?今の私は先輩だけのためにここにいるようなものですから」



「僕、今回の件で色々嫌になってしまった。もう未来も何も、どうでもいい。」

「仕方ないですよ。誰だってそうなります」

「もう、ずっとここにいていい?外に出るのも嫌だ」

「いいですよ〜……先輩のしたいようにすれば、だって、先輩の人生は先輩だけのものなんですから。私はそんな先輩のこと、いつまでも応援してます」

「ありがとう……」

「でも‼︎ここにいたいなら、この部屋の持ち主にちゃんと許可をもらわないといけません‼︎」

「……君の部屋じゃないのか?」

「ええ、私にはもう部屋はいりませんから」

「……不法侵入かよ」

「違います、元この部屋に住んでた人です」

「……不法侵入だ」

「はい」




「……私は訳あって、これから先先輩を守ることはできなくなりました。今回だけです。なので、これから先、先輩を側で守ってくれる人を探していました」

「……何の話だ?」


「先輩には女難の相がでています。これから先、間違いなく良くない何かが起きます。あれはその始まりに過ぎません」

「……占いかよ」

「もっと信用できます‼︎これはもう未来予知のレベルですね」

「……まぁ、思い当たる節があるせいで否定ができない」

「でしょ?だから先輩を守れる人をずっと探していました。向こうも先輩のことを必要としていて、尚且つ運命に流されないくらい強い意思を持った人を」

「……見つかったのか?」


「ええ‼︎まさか向こうから、それも私がいた部屋に越してくるとは思いませんでしたけどね」

「つまりこの部屋の今の持ち主か」

「そうです‼︎……先輩。母校へ行って下さい。そこに先輩を必要としている人がいます。そしてその人のを救ってあげて下さい。」


「わかった。もうちょっとだけ勇気出してみるわ」


「はい‼︎」

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