友達、マブダチ、

「なぁ?」

「なんだよ?」

「お前って、私といる時以外何してんだよ?」

「どうしたんだよ急に?」

「いや、気になってさ、いつも買い物帰りにここ寄ったら、お前絶対いるだろ?私でも家では家事の手伝いしてんだ、お前は一日何してんだろ?って思って……まさか一日中私を待ってる訳じゃないだろ?」


「……そうだな」

「わ、私とお前って……その……と、友達だろ?だからもし家に帰れない理由とかあるなら、相談して欲しいんだ」

「は?ちょっと待て、僕とカモが友達?……ありえんだろそれは」

「えっ⁉︎……そっ……そう……なのか?……そっか……ありえないか……」

「ああ、ありえん、僕とカモが友達なんて」

「う……ごめんな、お前のこと、勝手に友達だなんて思って……」


「……わりぃ‼︎今日は母さんに早く帰ってこいって言われてたの思い出した、じゃあ、またな‼︎」

「おいカモ‼︎」

「えっ……⁉︎」

「話は最後まで聞け‼︎」

「でも……私達って友達じゃないんだろ?」

「そうだ‼︎僕とカモが友達だと思ってるのはカモ、お前だけだ‼︎」

「……ごめん」

「ホント、頭にきたぞ‼︎カモのこと、マブダチだと思ってたのは、僕だけだなんて‼︎」

「……は?マブダチ?なんだよそれ?また分からん言葉で私をバカにしようとかしてんじゃないだろうな⁉︎」

「そんなことあるか‼︎僕は真剣に言ってるんだ‼︎」

「じゃあ教えろよ、なんだよマブダチって」


「いいか?よく聞け?マブダチってのはな、『マブダチとは……「本物の」「本当の」を意味する形容詞の『まぶ』と「友達」を意味する略語『ダチ』から成る合成語で、「親友」を意味する。』……だ‼︎」


「急に辞書っぽく喋りやがったな……でもつまり……私達は……親友?」


「そうだ‼︎……僕は悲しいぞ‼︎僕とカモはマブだと思ってたのに、カモの方は僕のこと、ただの友達としか思ってなかったなんて‼︎」


「わ……悪かったよ‼︎大体頭悪い私じゃ、そこら辺の判断つかねぇんだよ‼︎察しろよ‼︎……でもそっか……マブダチか……」


「……何泣いてんだよ⁉︎」

「な、泣いてねーし‼︎」


「……嫌、だったか?」

「……そんなわけあるか‼︎嬉しいわ‼︎……クソッ‼︎卑怯な手使いやがって……」


「……惚れた?」

「ンなわけあるか‼︎バーッカじゃねぇの‼︎」


「残念……じゃあ、僕とカモはマブダチか?」

「……ああ、私とお前はマブダチだ‼︎」


「よーし、いつもならレジの人にあげると喜んでくれる釣り、今日はお前にやるよ‼︎……その……今日はお前に喜んでほしいからな‼︎」


「お、おう、サンキュ……」


「……ところで」

「ん?」

「最初の質問に戻るが、お前いつも何してんだよ?」

「…………」

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