収活‼︎(収集活動)

「よいしょ……」

「よおカモ‼︎今日も元気にゴミ漁りしてきたみたいだな?」

「誰がカモか‼︎ゴミも漁りもしてねぇわ‼︎母さんに頼まれてお使いしてきた帰りじゃ‼︎この諭吉が見えんのか⁉︎ってか荷物重たいから一つ持ってよ‼︎」

「……なんで買い物で金使ったのに諭吉が残ってんだよ?」

「えっ?だって、もともと二人いて、一人使ったから……」

「……それにしてもおかしいだろ?この袋の中身だけじゃせいぜい樋口だろ?……あっ、二つに割れるアイス入ってる……」

「これはお前と半分こしようと思って……って、レジの人に「釣りはいらねぇ‼︎」って言ったら喜んでくれるしって教えてくれたのお前じゃねぇか‼︎実際喜んでたし……」

「……お前ほんとカモ(バカ)だな」

「だからカモ(鳥)ちゃうわ‼︎なんでそうなるんだよ⁉︎」

「えっ違うのか?」

「違うわ‼︎れっきとした人間じゃ‼︎」

「へぇー……」

「な……なんだよ?」

「僕は好きだけどな……」

「……カモ?」

「カモ、可愛いじゃん」

「………………」

「………………可愛い、カモ」


「〜〜〜〜〜〜」

「wwwwwwww」


「〜〜〜じゃあ、カモでいい……」

「よし、カモならその手に持ってるの、いらないよな?」

「えっ⁉︎これか?」

「うん、それ」

「……カモは使わないのか?」

「そりゃそうだろ?ほら渡せ?ついでに家まで荷物持ってやるから……」

「……うん、そっか、じゃあいらないな、私カモだし……ありがと」

「……さて、問題も解決したことだし、アイス食べようぜ?半分くれるんだろ?」

「……あ?あぁ、じゃあ割ってくれよ、私それ綺麗に割れないから」

「不器用なやつだな……おっ、カフェオレ味じゃん、ほれ、割れた」

「ありがと……今日はカフェオレ味にしたんだ、お前好きだったろ?」

「お?覚えててくれたのか?嬉しいな」

「ふふっ……忘れるわけねぇじゃん、お前の好みなんだから」

「……他のことは割と忘れるのにな‼︎」

「うるせぇ‼︎私馬鹿だからあれもこれも覚えらんねーんだよ‼︎察しろよ‼︎」


「この前なんか、お使いでメモ忘れて、チロル山ほどに買って帰って、めっちゃ怒られたんだろ?」

「怒られたわ‼︎……仕方ねぇじゃん‼︎チロル見てたら食べたくなっちまったんだし‼︎何買ったらいいか分かんないから、なら、自分が欲しいの買ったらいいや〜ってなるだろ?」


「ならんわ‼︎ってかそれにしてもあの量は異常だろ⁉︎どんだけ食ったよ⁉︎」

「……2キロ太った。その後死ぬほど走った。」

「……ほんと、アホだよなお前。」

「……うっせ。あたしゃあたま悪いんだよ。知らなかったのか?」



「……でも、買い物の内容も覚えてられない頭でも、僕の好みは覚えてられたんだ?」

「そうだよ‼︎バカでも好きなやつのことくらい……」

「えっ?」

「あっ……ちっ違う‼︎嫌いなやつの好み覚えといて、あとで嫌がらせするために……」


「プクククク……」

「な……なんだよ⁉︎悪りぃかよ‼︎」

「いや……ほんと可愛いな、お前」

「…………うるせぇ」

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