仕事の朝。
「行ってきます」
「ん……行ってらっしゃい」
「…………んん〜(チラッ、チラッ)」
「何だよ?」
「行ってきますのチュウ。ピカピカ‼︎」
「恥ずいわ‼︎」
「じゃあ行かない。あ〜あ、今日はもうやる気でないからや〜すもっと‼︎」
「おい‼︎」
「……ん、満足。行ってきます」
「はいはい、掃除洗濯は任せとけ」
「あと休憩時間のメッセもね。12時と6時」
「了解」
「お昼には冷蔵庫に昨日の残りのカレー入ってるから、レンジの600Wで1分ね」
「ほいほい、いつもありがとうな」
「あとこれ……」
「まだ何があるんかい‼︎遅れても知らんぞ」
「いつも留守番で寂しい思いさせてるから、たまにはこれで気分転換してきて」
「ゆ……諭吉が3人も……どうしたんだよこれ」
「私、知ってるんだからね、いつもお小遣いに上げてるお金、何に使ってるのかはわからないけど、自分が遊ぶために使ってないでしょ?」
「なっ……‼︎」
「だから、たまには競馬でも行ってパーッと散財してきたらいいよ‼︎近くにあるでしょ?でっかい建物」
「散財する前提かい‼︎しかもあそこは競輪場だ‼︎走るのは馬じゃなくて自転車‼︎」
「まぁとにかく、毎日私ばっかりしてもらって癒されてるから、たまには私から何かして癒してあげたいの‼︎」
「わかったわかった。とにかくこれはありがたく頂戴しとくから、早く仕事行け‼︎僕が働いてない分しっかり稼いでこいよ‼︎」
「うん‼︎行ってきます‼︎」
「……ハァ、せっかくもらったが、何に使ったものか。……競輪とかしたことないからな、行けば間違いなく散財コースだが、あいつの言った通りになるのは解せん。よし‼︎間違いなく足りたいだろうから、その分出させるためにあいつでも誘ってキャ……」
「そういえば‼︎」
「ま、まだいたんかい‼︎はよ行かないい加減遅刻だろ‼︎」
「 一つ言い忘れてたから」
「何だよ?もう一通り聞いた気がするが?」
「さっきあげた諭吉……それを元手に誰か誘ってキャバとか行ったらさすがに殺すから‼︎それだけ」
「……は〜い。」
「…………。」
「……となると、しゃーないからカモでも誘って近くのレストランでちょっといいもの食べようかな。残りはあいつにプレゼントを……っと、あいつどうせ疲れて帰ってくるだろうから、あれとこれと……」
「……あとは貯金して、いつかのために、だな」
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