テーマ、絶望。
僕は今では籠の鳥〜
意識があるうちに捕らえられ、羽を切られて飛べなくされた。
決して派手な色でも目立つ容姿でもないのに他にたくさん僕なんかより派手でカッコいい容姿の鳥たちがいるのに〜
あの狩人はなぜこんな地味な僕を狙ったのだろう?
簡単そうだったから?弱そうだったから?
そんなことはもうどうでもいい。
ただ一言聞いてほしい。
「誰でもいいから助けてください‼︎」
小さな籠に入れられて、自由はもうない。
360度どこをみても柵柵柵……
ここから出る事は叶わない。
このままでは陽の目を見る事はもうないだろう。
毎日蛍光灯の光を浴びる体は弱ってきている
いつまでも変わらぬ刺激のない光を取り込む僕の瞳はシバシバだ
今では懐かしい、あの太陽の光を思い出すのもシバシバだ。
ああ懐かしき、あの青春の日々〜
陽の光を浴びて自由に羽ばたくことができたあのころ、
今では手を伸ばすことすら出来ないあの青い空、白い雲。
それを見ることが許されていた日々
あの思い出だけが今の僕を支える唯一の希望
それすら踏みにじる、籠の外から僕を見つめる黒い瞳は、まるで夜の星のようにキラキラと輝いている。
本当に憎らしい
僕を捉えたこの瞳が、
憎くて憎くて仕方ないのになぜだろう、
僕を捕らえたこの夜が、
怖くて怖くて仕方ないのになぜだろう、
この暗い、闇に輝く数多の星だけが今の僕の生きる希望だ。
これを見ている時だけが唯一、
心が休まる瞬間になる。
この感情はなんだろう?
この星に嫌われたくない。
見放されたくない。
捨てられたくない。
この星をいつまでもそばに置いておきたい。
いつまでも見ていたい。
そのためには何をすればいい?
そうだ、
星の望むことをしよう、
星のために生きよう、
そうすれば僕は安心していられる。
安心するためには何もかもを許そう、
何もかもを諦めよう、考えることをやめよう
それで希望を得られるなら、
これから安心していられるなら……
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