返信。

「……うん。これを書いた10歳の僕へ。25歳になった僕は今、きゃりあうーまんな彼女のヒモをしています。ヒーローにもモテモテにもなれなかったし、誰かに足を引っ張られるどころか、引っ張ってるけど、とりあえず一人にはモテて、長者に巻かれて生活できているので、それなりに楽しくやってます。」


「何遠い目して独り言ブツブツ言ってんの?治療いる?」

「ん?ああ……(治療代じゃなくて治療?)いやさ、こんなの出てきて、懐かしくてさ。」

「へぇ〜。『20歳の僕へ』か。確か小学校の卒業前に書いたやつよね?億万長者。モテモテのヒーローか。……ふふ。あなたらしい。」

「……恥ずい。」


「ねぇ、覚えてる?私達が付き合うことになったきっかけ?」

「ああ、お前が自分で書いたこれ読んで、死のうとしてるとこだったっけ?確か夢が叶わなかったとかなんとか、」

「いやん、恥ずかしい‼︎……そう、20歳の私へ。今何してますか?好きな人はできてますか?もう付き合ったりしてますか?夢だったお嫁さんにはなれてますか?……10歳の私は今好きな人がいます。まだ付き合ってはいないけど、20歳の私が付き合っているのがその人なら嬉しいです。……恥ずい。」

「そんな内容だったんかい⁉︎それ書いた10数年後、屋上から飛び降りる寸前だったんだぞ?もっと深刻な内容かと思ってたわ‼︎」

「いや、もう今ではそれ(自殺未遂)もいい思い出だし」

「……マジで最近お前強くなったなって思うわ。」

「あなたがそう(調教)したんじゃない?」

「おい⁉︎誤解を招く言い方はやめろ⁉︎」

「いつもいつも、そこらの女に優しくして……変な虫がついたらと思うと自殺なんてしてる暇ないわよ」

「誤解を招く言い方はやめて⁉︎」

「全く……処理するこっちの身にもなってよ?」


「誤解を招く言い方はやめて⁉︎……ほんとに……真面目に焦ったんだぞ?あの時。たまたまあのあそこに用事があって寄ってたら、飛び降りだなんだで騒いでんだもん。しかも立ってるのがよく知った顔だったし。」


「いや〜あの時はご迷惑をおかけしたぜ‼︎でもね、あの時現れたのがあなたじゃなかったら迷わず飛んでたと思う。」


「?……なんで?」

「それは〜……分かれよ‼︎」


「え?別れよ?なんでそうなる?」

「字がちげーよ‼︎アホが、大体それこそなんでそーなると思ったんだ⁉︎察しなさいって言ってんの‼︎」


「……ごめんなさい。」

「ほんと、しょーもない冗談ばっか言ってっとマジで放り出すからな⁉︎」

「……マジごめんなさい。」

「そしてすぐ拾いに行く」

「……なんか、ごめんなさい」


「……で?わかった?」

「いいえ、検討もつきやせん。」


「そう、なら絶対教えない。」

「えーっ⁉︎気になるぞ⁉︎気になって夜も眠れねーぞ‼︎」


「そっ……そう?そんなに気になる?」

「うん、気になる」

「そっか……」

「だからさ、教えてくれても……」

「あなたはそうやって私のことだけ考えて生きてなさい。絶対教えない。私のこと考えて夜眠れないとか……なんかくるものがあるから」

「あれ⁉︎余計状況が悪くなった気がするぞ⁉︎」

「少し考えたら簡単なことだから……自分の胸に手でも当てて考えてみなさい」

「うーむ……そうか?なら……」

「あァン(ハート)……ちょっと⁉︎いきなり何⁉︎」

「だって胸に手を当ててって言ったし」

「いや、自分の胸にって、私の胸って意味じゃないから‼︎あんた自身のって意味だから‼︎」

「そうだったか、ごめん」

「もう‼︎変態‼︎次やったら吊るすから‼︎」

「はい……」

「次やるときは前もって言うように」

「言ったらいいんかい‼︎」

「別にいい……むしろいつも考えてる」

「まじか……」

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