あの娘の今……

「……で?その人は本当にそれ以後あんたの前に現れないの?」



「……そうだな、ないっちゃない。」


「ん?……行方不明?」


「いや、居場所は分かるっちゃ分かる」

「……ハッキリしないな〜」


「……まぁ、ハッキリしないっちゃしないんだ」

「ふ〜ん?」



「ってか、いまどこ向かってんの?」


「ああ、言ってなかったか……」


「何、ある恩人に報告をな……長いこと立ち止まってしまったからな、これから少し前に進むからそれの報告をしにな」


「それってバイトのこと?」

「そう、」

「……短期、それも1か月だけの彼女の誕プレ用小遣い稼ぎなのに?」

「うるさいわ‼︎それでも僕には大きな一歩なんだよ‼︎」


「……確かにな、同情するよ、あれはないわ……」



「……で?その元カノの方はあれで良かったの?」

「……ああ、今のあいつを振り切るにはああするしかなかった」


「でも助かったわ、一緒にいてくれて」

「なっ……なんだよ急に⁉︎」

「いやマジでさ……あいつに一人で会うのはまた早かったというか、心の準備がまだできてないって言うか……な?」


「ま……まぁ?役に立てたならいいけど、私にとってもワケありな場所って知ってる?」


「ホントすまん……」



「じゃあ次、お前のワケありを僕がなんとかしてやるよ‼︎なっ?それで貸し借りなしってどうだ?」

「……ホントに?」

「ああ‼︎僕に出来ることならなんでもしてやる‼︎」

「……じゃあそれでいい」


「……何だよ?」

「指切り」

「…………んっ」


「ゆーびきーりげ〜んまーん……」

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