親、

「ねえ?」

「何?」

「最近ちゃんと家には帰ってる?ずっとウチにいるけど?」

「いや?帰ってないけど?どうして?」

「仕送り、毎月届くんでしょ?親御さん達、きっと心配されてるんだよ、一度帰ってあげたら?」

「別に、知ったこっちゃねーよ、あんなやつらのことなんて、仕送りだって、一切手をつけてないし、つけるきもないから、いい加減気づいて止めりゃいいのに……あの馬鹿共は……さっさとくたばればいいんだよ……」

「――――っ‼︎」

「痛ッ‼︎おい‼︎急に何す……」

「自分の親のこと、そんな言い方しちゃダメ‼︎」

「何キレてんだよ⁉︎いいんだよ‼︎あっちだって僕のことなんて何とも思ってないだろうし、仕送りだってどうせ世間の見た目のためとかいう理由だぞ?」

「それでも‼︎自分の親なんだよ⁉︎世界に一つしかいない大切な繋がりなんだから‼︎大切にしなきゃ‼︎」


「……私だって、自分の実家なんて大嫌いだし、お父さんやお母さんだって嫌いだって言って喧嘩したこともあるよ?それでうち出たんだし……」

「だったら……」

「でも、それでも私のたった一人のお父さんお母さんだもん、本当に嫌いになんて、なれないよ」


「…………」

「だから、ね?一度帰って、お話しよ?それでまた相手にされなくて、頭にきたら、その時はもう帰ってこないってだけ言って、きっちりけじめつけてうち出りゃいいじゃん‼︎その後はずっとうちにいたらいいよ、私が責任を持ってずっとそばにいるから」

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