呼び方
「なあ?お前ってさ……?」
「……なあカモ?」
「……何だよ?」
「カモって僕の名前全然呼んでくれないよな?」
「えっ?そう……だっけか?」
「そうだよ?僕らマブダチなのにいつまでもお前呼びはさみしいな〜」
「そっ……そう言われてもな、今更名前呼びとか……」
「何?照れてんの?」
「……うん」
「……えらい素直だな?」
「そっ……そんなことより‼︎」
「そんなことより⁉︎カモ、マブダチがお互いを名前呼びしないことより大切なことがあると言うのか⁉︎」
「えっ……それは〜……」
「じゃあ呼んでみてよ、僕の名前」
「んんん〜、それは……」
「ん?どうした?」
「じゃあ‼︎そっちはどうなんだよ‼︎私のことカモカモって‼︎名前で呼んでみろよ‼︎」
「カモ……それはアダ名って言うんだ」
「……アダ名⁉︎」
「そうだ、仲のいい者同士で呼び合う愛称みたいなものだ」
「仲の良い者同士……」
「なんならカモも呼んでいいぞ?僕のこと、アダ名で」
「そんなの知らないわ‼︎」
「そりゃそうだ、誰からも呼ばれたことないからな」
「だったら呼びようがないじゃん‼︎」
「そんなことはない‼︎」
「――⁉︎」
「今決めればいい‼︎」
「――――⁉︎⁉︎」
「さあ‼︎決めるんだ‼︎僕の名を‼︎」
「えっ⁉︎今決めるの⁉︎」
「そうだ‼︎今だ‼︎ホラ‼︎」
「ええぇ〜……」
「ホラ、早く‼︎5秒以内‼︎5432……」
「えぇ早⁉︎じゃ、じゃあ……ゆぅ………」
「ゆぅ?」
「ゆゆっ……ゆゆゆゆ……」
「どうした⁉︎そんなものか⁉︎」
「ゆゆゆゆゆゆゆゆ‼︎」
「ホラ‼︎もう少しだ‼︎頑張れ‼︎」
「そんなん無理やぁぁぁぁぁぁ‼︎恥ずかしすぎるわこんなん‼︎」
「ダメだったか〜……」
「…………ホンマ、いじわるやなぁゆー君」
「…………お⁉︎おぅ」
「ホンマに……何言おうと思ってたかすっかり忘れてもぅたやん」
「ごめん……」
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