撒き散らされる刃物(二次災害三次災害……)

「「店長‼︎」」

「はい店長です。」


「店長、今のはどういう意味?」

「ってかいつの間にいたんだよ気がつかなかったわ」


「(グサッ‼︎)……驚かせて申し訳ございません。お二人の会話がふと聞こえてきたもので、つい話しかけてしまいました。」


「会話って?」

「ってことはつまり?」

「はい、そのまま、あなたたちがおっしゃられていた条件での、バイトの募集の話です」


「まじか……」

「店長にこんな使い道があったなんて……」


「(使い道……)ええ、私もびっくりです。例の一件以来、誰もバイトの方が来て下さらず、人手不足なのです。短期でも来ていただけるならウチとしては非常にありがたいのですが」

「なるほど、自分で蒔いた種か」

「(グサッ)」

「まぁ、そう言ってやるなって、今の感じじゃ、あんまり悪い人には見えないし」


「(お客様ァ〜)私、お客様のこと好きかもです」

「いや、どうも?」



「でも分からんぞ?前科があるからな。またいつだれにやるか、わかったものじゃないぞ?」

「…………(汗)」

「いやいやいや、流石に男同士だしありえねーだろ?な?店長?(ん?でもさっき……)」


「(前科って……間違いないですが)いえいえ、あれには理由がありまして……」

「(えっ?前のには?)それってどういう?(まさか……)」

「そうだ、理由があるならはっきり言ってみろや」

「おい、落ち着け?落ち着いて話を聞いてみよう?(不穏……)」

「いえいえ、気にしないでください。」



「実は、あれは相手の方に頼まれて仕方なくやったことなのです……」

「(仕方なく?)jkにセクハラしたと?」

「はい、流石に私にはそのような(jk)の趣味はありませんよ……まぁ、今更何を言っても遅いのですが……」

「……そのような(女の方)趣味はない?」


「つまり、あんたは相手に頼まれて仕方なくことを起こしたっての?」


「はい、なので、みなさんが思っているような(私がjkにセクハラしたと)ことはありません。そして、事情を知っている方のおかげで、こうして店長続けられているというわけです。」

「……みんなが思っている(女の)ことはなくて、事情(つまりは男色)を知っている方のおかげで店長でいられる?」


「なるほどな、その話が本当だとすると、悪かったな。疑ったりして」

「えっ?」

「いえいえ、分かっていただければそれで十分です。」

「えっ?」

「……とにかく、よければ一度、面接をしてみませんか?(満面の笑み)」

「ほんと、いいやつじゃん、店長、よかったじゃん、すぐにバイト決まって(満面の笑み)」



「――グサッ‼︎」

「えっ?どした?」

「お客様?」


「いや、なんでもない」

「今のやりとりのどこにダメージ受けるところがあったんだよ?」

「お客様、私が知らぬ間に何か、ダメージを受けるようなことをしてしまいましたか?はっ‼︎まさか、料理に何か……」

「おい、店長に毒盛られたのか?」

「いや、本当に大丈夫なんだ。何でいまダメージ受けたのか、自分でも分からんし……」


「いや、料理に何か入っていても、毒はないかと……流石に」

「まさか店長、無意識のうちに何かしたんじゃないのか?」


「まさか‼︎ですか、もし私がした何かでダメージを負わせてしまったのならおっしゃって下さい?」


「大丈夫だ。すまない。何だろうな、急に胸に何か刺さったような気がして……」

「胸……心臓?」

「大変だ!救急車‼︎救急車ァァァ‼︎」


「そうです‼︎救急車が来るまで、私のプライべートルームへ‼︎」


「えい、たぁ」

「――痛‼︎」

「――痛‼︎」

「騒ぎすぎじゃ‼︎」

「……ごめん」


「ははは、ついのせられてしまいました。」


「ったく。」

「では、今から私のプライべートルームへ来ていただけますか?」

「えっ?(……不穏)」

「とりあえず必要書類をお渡ししますので、気が向いたら書いて持って来て下さい。私はいつでもお待ちしておりますので」

「あー、ああ、うん、分かった(本当に書類もらうだけで済むのだろうか……)」

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