相談会。

「なるほどな、今度誕生日の彼女に何かしたい。けど、そういう経験がないものでどうしたものか、って」

「そう、しかも小遣い生活の僕が、だ。お金がかかることしても、結局は彼女の金でやることになるし」


「うん、私から言えることはとりあえず一つだ。」

「おう、何だ?」





「働けば?」


「うん、やっと言ってもらえた感がある。」

「まぁ、当然だろ?」

「うん、そうなんだけどよ、僕のまわり誰もいわないんだ。」

「あ〜わかる。」

「それは置いといて、どこかいいところないものかね、この前僕が就活始めようかなって独り言言ってた時、別にいいじゃん、働いて稼いでくれるよりは、私が疲れて帰った時玄関で『おかえり』って言ってくれた方が嬉しいしって言われた」


「だよな?あんたの彼女ってくらいだし、まともじゃないよな、」


「うん、下手に逆らうとどうなることやら」


「働けるところと、気持ちがいくらあっても、それじゃあな」


「まぁ、ないよな、どっちも……」

「……それ、自分で言うか?

「ないって言うか、失せた」

「……まぁ仕方ないんだろうけど」



「だって、就職先より先に、永久就職先か見つかってしまったわけだし、寄生虫(中)が主人には逆らえないし」

「だよな、(最悪、私のところへ転職してもいいんだけどな……)」


「でも、せっかくの記念日だし、男としては何かしてやりたい気分なんだよ」

「……えらい(羨ましい)よな」

「即採用で、時給もいいところ、あいつにバレない程度の時間勤務で、短期で募集してるところ、ないかな、」

「そんなところがあればいいんだけどな?あんたの彼女ってあんたのこと離しそうにないし、あんたが外に行くことすら良く思わないんだろ?難しすぎるだろ」

「うん、間違いない。外で働くよりはずっと家にいて、私を癒してくれる方がいいってタイプだし、万が一働いてることバレたら、ってよりもう疑われた時点でアウトだし、」




「ないだろうなー、そんな都合のいいところ」

「なー」


「およびでしょうか?」


「「えっ?」」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る