カモの過去。(ゆーて数ヶ月前の話)

「おいそこ!サボってんじゃねーぞ‼︎」

「はーい、(うるせぇサボってねぇよクソジジイが)」



「こっちは金払ってんだからきっちり働いてもらわないと困るんだよ」

「はい、ごめんなさい。(じゃあきっちり教えろよ、いきなり放り出したのそっちだろうが)」


「はぁ、これだから高校生は……」

(はい出た。)

「……やめます。」



「……ほんと、意味わからん。」

「それは意味わからんな。」

「うぉい⁉︎誰だよおっさん‼︎」

「おっさんちゃうわ‼︎まだ25のオニィさんじゃい‼︎」

「そっ、そうか?そりゃ悪かったな」

「いや……そんなに素直に謝られると、逆に困る。」

「悪いことすりゃ謝るの当たり前だろ?オニィさんはしないのか?」

「いや、そんなことはない。こちらこそ、急に近寄って聞き耳立てて悪かった。随分と可愛い子が暗い顔してたからつい気になっちまった。」

「…………そうか(可愛い……?)」


「って誰が可愛いもんか‼︎」


「ん……………(指差し)。」

「はっ……そっ、そんなわけねーだろ⁉︎私なんて、特に今なんて酷い顔してるだろうし⁉︎デタラメ言ってんじゃねーぞオニィさん‼︎」

「いや。確かにメイクはともかく、綺麗な顔だと思うぞ?それに心も綺麗。身も心も汚れきった僕からみたらすごい眩しいよ」

「だっ黙れ‼︎それ以上私を馬鹿にするな‼︎私はな‼︎オニィさんみたいな人を年下だからって、見下して馬鹿にしてくる奴が一番嫌いなんだ‼︎」

「いや事実をそのまま述べただけだけど……まぁ、気に障ったなら謝るよ。ごめん。」


「や……やめろ‼︎……謝るな‼︎」

「いや、自分でさっき言ってたじゃん?悪いことしたら謝るのが当たり前って」

「なっ……ひ……卑怯な‼︎それを言われたら何も言い返せないだろ⁉︎」

「じゃあ認めろよ。自分は可愛い。可愛い女の子って。」

「う……う……」

「ホレ、言ってみ?私は可愛い。」

「わっ……わた……わたしは……」

「わたしは?」


「わたしは……うぅ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー‼︎これ‼︎わたしのメアドだから必ず連絡よこせよ‼︎」


「…………行ってもうた。何か可愛い子だったな、天使かな?」

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