±Days
空月
事の始まり編(投げやりアドバイス5題 )
◆1.目を逸らされるのは照れからじゃないって気づこうね
携帯が着信を知らせてきたと思ったら、住む世界がかけ離れてるのにうっかり幼馴染している相手からだった。
ちなみにうっかり幼馴染している相手はこいつだけでない。各種取り揃えました的バラエティに富んだ顔と中身の4人が、『幼少期から付き合いが続いている』という意味での私の幼馴染だ。そして奴らは少々……いや結構、だいぶ、馬鹿なのかもしれないと思うときがある。
そして今まさに電話してきている奴はその中でも特等馬鹿だったりする。まぁそこが長所でもあるのだが。
何の用だろう、と首を傾げつつ通話ボタンを押した。
「はい、もしもし?」
「いつも言ってるけど声量落として。うるさい。何の用?」
「は? 好きな人が出来た? そりゃよかったね、で、それが?」
「恋愛相談? もっと適任探しなよ。ていうか付き合ってらんない」
「あーわかったわかった。だから泣きまねすんな。気持ち悪い」
「……。…………。……へー、まあ、うん、あんたらしいとは思うよ。心の底から他人事でよかったと思うけど」
「いや、だってぶっちゃけひくよそれ。犯罪すれすれって言うよりもう抵触してるって」
「うっさい。だったら他の奴にかけろ。時間が無駄に浪費されていってんだけど、今この瞬間にも」
「結局何が言いたいわけ? はい五秒以内に簡潔に。ごー、よん、さん、にー、」
「……ああ、うん? それだけ状況証拠が揃ってて気付かないのってある意味才能だよね。ポジティブとかいう問題じゃないっつーか」
「いやだからね、そうじゃなくて、」
「つまりだ。目を逸らされるのは照れからじゃないって気づこうねっつってんの。何でそこで照れてるとか思うわけ。単にひいてんだよそれ。関わりたくないと思われてんだよあんた」
「ああやかましい! 泣くな! うざいよ心の底からうざいよいい年してめそめそ泣くな! っつーかもう電話切っていいかなぁ!?」
はっきりド直球に言ってやったらガチで泣きだした馬鹿にそう怒鳴りつつ、一応泣き止むまで相手してやった私はえらいと思う、うん。
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