◆4.いつ電話しても話し中ってそれ着拒だから
携帯が震えた。この流れならあり得ると思ってたけどあってほしくなかった着信。そして表示されてるのは幼馴染その4の名前だ。残念ながら予想は大当たりである。ついでに言えばタイミングが良すぎる。
もう無心の域で画面を操作して通話を始めた。
「はーいもしもしー」
「うん来ると思ったよあんたからも。それで? どういうご用件でしょーか」
「……ほんとさー。人選が謎過ぎるんだけど。どんなアドバイス求めてんのあんたら」
「ぶっちゃけ関係ないんだよこっちは。ていうか関わりたくないんだよ。なのに何故に巻き込むわけさ」
「だってメンドいし。……まあ他の奴らも話だけは聞いたから、あんたも話くらいは聞いてやるけど」
「うん、……へー……。………………」
「いや、あのさ。普通に考えてそれはないっしょ。いつ電話しても話し中ってそれ着拒だから。着信拒否。わかる?」
「いやいやいや、どんな前向き思考だよポジティブシンキングにも程があるよ。あんたって実は馬鹿だよね」
「っつかさ、それストーカーレベルだよ犯罪の匂いがするよ多分訴えられたら負けるよ? ――待てそういう問題じゃない。世の中金で支配しようとするなこの腹黒」
「とりあえずさ、電話はちょっとやめてやれ。流石にかわいそうだ。ノイローゼとかなったらどうすんの」
「いやだからそういう問題じゃないって――あ、ごめんキャッチ入った。ちょっと失礼」
「――っておまえまたか! ああもうまだ何かあんの!? ……って、あれ、またキャッチ?」
「うっさい、ちょっと切るよ。……はいもしもし?」
「うわ、おまえもか。……いやこっちの話。今忙しいんでまたあとで――ってまたキャッチか。超やな予感」
「はいもしもーし? ……予感的中……嬉しくねぇ。あああんたに非はないから。でももうちょっと時間空けて欲しかったのが正直なところ――ああまたキャッチが」
「あんた5分も待てないわけ――ああもうほんと面倒だなあんたら! どうせ他の奴らのとの電話も盗聴してやがんだろこの犯罪者。まとめて話聞いてやるからどっか場所設けて全員集めて迎えよこせ! でなきゃ金輪際電話でてやんねーから!」
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