◆2.バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ(or手編みマフラー)
なんとか馬鹿を泣き止ませて電話を切った途端に着信を告げる携帯。誰からかと思えば幼馴染その2からだった。とりあえず無視するわけにもいかないので通話を押す。
「……はい、もしもし?」
「いや、ちょっとさっきまでうざい奴の相手してたから。それでどうしたん? 珍しいじゃんあんたが電話してくるとか」
「……あんたもかよ! ああいや、こっちの話……っつーか人選おかしいよ何考えてんの」
「あっそ。まあ、聞くだけならしてやらないこともない。で?」
「……うん。…………う、ん……?」
「いや待てその知識はどっから仕入れてきたんだおまえ」
「着眼点は悪くない――ような気がせんでもないけど、何でそこを参考にするわけ。常識的に考えようよ、っつか自分の身に置き換えてみろよどん引きだろ!?」
「ああ、いや、うん……そうだねあんたに常識を求めたこっちが馬鹿だったよね今のは」
「ああはいスミマセンデシタ口が滑りましたー。んで、まあ意見求められたわけですし正直なところ言いますけどー」
「バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ。ついでに言っとくけど手編みマフラーもだから。……まあ恋人同士とかならまだアリかもだけど、アプローチしてる段階ならやめとけマジで。十中八九ひかれるから」
「どーしてもやりたきゃ花束にしとけ。手編みマフラーはいろんな意味でレベル高すぎだから」
「やだよめんどい。自分で考えろ――いややっぱ考えなくていい。あさっての方向に解釈しそうだし。そのまま目も当てられない惨事を引き起こしそうだし」
「言葉そのままの意味だっての。いい加減自覚しろよあんたの思考回路結構ぶっ飛んでんだよ。IQとか関係なく常識とかそういう面において」
「……絶対イヤですお断りですふざけんなこの野郎。面倒ごとには関わらないのが信条なんであしからずっ!」
電話だけで疲れてんのにこれ以上巻き込まれてたまるか!
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