ようやく陸上部設立!?#02

 

「お待たせしました。教頭先生に貸してもらいました。事情は説明したので自由に読んでいいですよ」

 大越先生はそう言ってペラッとした紙を差し出す。

「ありがとうございます!!」

『ありがとうございます!!!!!!』

 僕が代表して部活動規定を受け取る。そして図書室に戻り紙を見る。図書室は静かで何かの作業にはうってつけなのだ。もちろんちゃんと本も借りているから±0ということで。

 じゃあ、僕がこの内容をまとめてみるか……。とも思ったけど長すぎるのでざーっと見て、部活動設立についての項目を探す。

「あったぁーーー!!」

『マジで!?』

 雄治の声に残り三人が叫ぶ。

「ここはどこだか分かってますか?」

 あっ……。司書さんだ……。目が笑わない怖い先生だ……。

「と、図書室です」

「次叫んだら一週間利用禁止にしますよ」

 本が大好きな大輝にとって一週間利用禁止はきついな。そう思って大輝を見ると呻いている。

『ごめんなさい』

 そう言うと司書さんは戻っていった。

「で、どこだ?」

 大輝が小声で雄治に聞く。

「ここ、ここ。『部活動は部員10人以上、顧問1名、副顧問1名が揃った際、部名、部員、顧問、副顧問、活動内容などを記入し、担任の先生に渡すこと。その後、職員会議・臨時生徒会総会が開かれ、どちらか、またはどちらともで過半数の賛成があったとき、部活動設立が認められる』だってさ」

 あまりにも長い文章に雄治は肩で息をしながら言い切る。

「なるほど。とりあえず設立できることが分かってよかったじゃないか」

 その大輝の言葉にかぶせるようにして5時間目の予鈴が鳴った。

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