陸上部顧問を探せ!!#2
学年朝会があった日の昼休み僕は校長室に呼び出された。
「なんだろう?」
僕は泣く泣く本を閉じて席を立ち上がる。
「顧問の件じゃないか?」
これまた本を閉じた大輝がそう言ってこちらを見る。
「なるほど……んじゃあ行ってくるよ」
教室を出て校長室に向かう。
通っていた小学校の校長室の扉があまりにも立派すぎて、ここに来てすぐがっかりした記憶があるが、中はどうなっているのだろうか。
ちなみに小学校は扉は木の重厚な扉だったが中は立派な椅子が5つとパイプ椅子が6つだった。パイプ椅子のせいでなんか雰囲気が……。
さて……。
コンコン。
「はい」
「1年の新黒田健人です」
「あぁ、いいよいいよ入って」
──なんか意外とフレンドリーな話し方だな。
そう思いながら引き戸を引いて中に入る。
革っぽい椅子が9つと木の大きな机、さらに別の机と高級そうな椅子がある。それはきっと校長先生のだろう。
「そこに座って座って」
僕はその言葉にしたがい一番近いところにある椅子に座る。
「さて、今回君を呼んだのは他でもない、部活動を新しく作る、という件についてだ」
「はい」
「枝木先生に顧問になってもらうよう頼んだようだが」
「はい」
「放課後に開く職員会議で話し合おうと思う。ちょうど水曜日だからなハッハッハ。明日の朝またここに来たまえ」
「はい!!」
「で、陸上部設立の件、顧問と部員をしっかり集めることができたら承認するつもりだ」
「分かりました。明後日23日には許可をもらえるよう頑張ります」
「じゃあ話は以上だ。図書室にはもう行ったかね?」
「いえ」
僕の本好きを知っているとは……。
「新刊が入ってるはずだから早めに行くといい」
「ありがとうございます。失礼しました」
僕は立ち上がりながら頭を下げ校長室を出る。
それにしても図書室の新刊情報まで知っている先生って珍しくないか?実は校長先生は大の本好きだったりして?
そんなことを考えつつ教室に戻る。
「お疲れ」
「おかえりー」
「乙〜」
3人がそれぞれ声をかけてくれる。
「ちょっと図書室行ってくる。新刊入ってるだって。内容は放課後話す」
「了解」
僕は本を持って図書室に走って行った。
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