○○○の提案とその理由
さて、そんなこんなで入学から二日が経った。
しかし、当初の計画を忘れてはいない。
そう、陸上部の設立。
入学式の部活動紹介で陸上部がないという現実が心にしみた。しかし、約二ヶ月前にした決心をねじ曲げることはしたくない。
だからこそ、僕はあの二人にこう言ったんだ。
「一緒に走らない?」
その途端あの二人から表情がなくなった。
「お前……走る、って本気で言っているのか?」
「ってか走れたのか」
正直な所がこの二人のいいところなんだけれども……。
実際、僕が走るというのはかなり意外だろう。その理由は僕の外見にある。
というわけで、僕の外見をできるだけ客観的に紹介しよう。
まず身長は140cm。身長順で並ぶと前から二番目だ。体重は40kg。まあ平均的だと思う。若干髪が伸びて鬱陶しくなっているのも、走れなさそうに見える原因だろう。で、きっとこれが一番の原因。生まれつき視力が弱く、自分で言うのもあれだが牛乳瓶のように分厚い眼鏡をかけている。どうやら眼鏡=運動音痴というイメージが定着しているようで、少し悲しい。
しかし、実際は頭脳明晰──ではなく、容姿端麗──なはずもなく、ただ単に運動神経がいいというだけだ。
この物語は運動以外に取り柄のない僕がひたすら走っていく物語だ。笑いあり涙ありの僕の青春時代を遺すために重要な一冊になることだろう。
さて、そろそろ本当の第一幕を開けようじゃないか。
Are you ready? So on your marks. Get set. Go!
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