緊張は舐めよう。
〈前書き〉
皆さん、おとつちわ!毎度お馴染み素人小説投稿者の音槌政旨です!さあ、本日も毎日投稿頑張っていきましょう!!
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
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金曜日である今日23日は僕が「部活動を認めてもらいたい」と言った期日だ。
「緊張するわね……」
由香がそう言うと雄治も「右に同じ」とふざけて言う。緊張するとふざけたくなる気持ちは分からなくもない。
「大輝さんは緊張しないの?」
上条さん──いやもう陸上部の部員なのだ、美絵と呼ぼう、は大輝に不安そうな目を向ける。当の大輝は瞑っていた目を開け小さく言った。
「まあ、緊張は舐めたからな……」
ん?どういうことだ?緊張を……舐めた?見ると他の部員たちも怪訝そうな表情をしている。すると大輝が口を開いた。
「手のひらには『労宮』というツボがあり、そこは心臓と繋がっているんだ。だから軽く抑えるだけで交感神経の興奮が収まり、緊張をほぐす効果がある。で、その『労宮』は軽く手を握った──」
突如始まった大輝の雑学コーナーに僕らは耳を傾ける。
「──中指と薬指の先のちょうど中間あたり。手を広げて、指で『人』と書くと1画目と2画目が唯一どちらもあたる場所なんだ」
僕らは自然と手を握ったり、広げて『人』と書いたりして、『労宮』の場所を確認する。
「けど、舐めたということにはならないだろう」
大輝とお互いにライバル心を持っているにも関わらずこの陸上部に入ってくれた、啓がそう言う。
しかし大輝はちっちっち、と指を振ると──この仕草がめちゃくちゃ似合ってるんだ──説明を再開した。
「僕は『人』と書いた後の手のひらを本当に舐めたわけではない。本当に舐める人もいるが、これらは言葉遊びの一種だと言われている。『蛇は寸にして人を呑む』という言葉があるが、手のひらに『人』と書いたものを舐める、つまり『人を呑む』くらいの気持ちでやれ、という意味だとされているんだ」
大輝の長い説明が終わった。
「なんか、こうやって大輝さんの話聞いてるだけで緊張がほぐれました」
美絵がそう言うと、雄治が冗談めかして「じゃあ大輝の声録音して高値で売ろう!『緊張がほぐれる魔法の声!』とかいってさ」と言った。僕らは大笑いし──次の瞬間、職員室前までやってきた理由を思い出した。
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〈後書き〉
というわけでいかがだったでしょうか!!
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆
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