陸上部員を探せ!!
陸上部員を探せ!!#1
次の日。僕らは早速部員探しに出た。ターゲットは外で遊んでいる人たち。「運動好きは走れるだろう」という安直な考えのもとだ。
まず目をつけたのはサッカーをやっているグループの中で、ヘディングが上手な人。一口に陸上と言っても幅が広い。前に走る、前に跳ぶ、高く跳ぶなどなどその中で彼ができそうなこと、それは……ハードル走だ。見ているとかなり走っているし何より跳躍力がすごい。身長はちょっと高いくらいなのに、170cm越えで有名な人と競り合いで勝っている。
ボール貸出が終わるのを待って彼に近づいた。
「ちょっといい?」
由香が声を掛ける。
「は、はい……」
「私は端末由香よ。でこっちから順番に新黒田健人、大河内大輝、山石雄治。この四人で仲間を探しているの」
彼はしばらく呆気にとられていたが、自己紹介を始めた。
「えっと……丹波直哉です。何の……仲間ですか?」
すると由香が、よくぞ聞いてくれた、とでも言わんばかりに説明を始めた。
「健人が陸上好きなのよ。それで私たちも手伝うことになってね」
から始まり、早5、6分。まだまだ喋り続ける由香を雄治が止める。
「ちょ、もうすぐ5時間目始まるから。とりあえず話終えて!!」
「──あ、ごめんね。まあそんなわけで陸上部員を探しているから、協力してほしいの」
彼──いや直哉はしばらく考えていたが、
「ちょっと考えさせてもらっていいですか?」
と聞いてきた。僕は頷く。
「もちろんよ。逆にこちらがしっかり考えてきてください、ってお願いするわ。結論が出たら1ー3の教室に来てほしいわ」
「分かりました。それでは」
そう言って直哉が走っていく。
「やっべえ、俺たちも次授業じゃん!!」
「しかも理科だから移動しないといけないな」
僕らは大慌てで走り出した。
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