「いやぁそれにしても部活、作れるって分かってよかったな」

　雄治がしみじみと言う。

「問題は人数だな。今ある部活動はサッカー、野球、テニス男女、バレー男女、バスケ男女、新体操、合唱、吹奏楽、美術、文芸そして帰宅部・社会体育で14だ。全校生徒数は約350人。平均して一つの部活動に25人の計算だ」

　大樹が5月にある生徒総会の資料を見ながら言う。

「ってことはうちの学年だけで帰宅部が8人になる予定ってことね？結構簡単じゃない？」

　そう言う由香に僕はチッチッチと指を振る。

「噂によると実はうちの学年、かなりの人が帰宅部じゃないらしいんだ……」

『……』

「でもさ、まだ仮入部期間だから、こっちに引っ張り込みやすいよ」

　雄治の言葉に皆うなずく。

「とりあえずあと6人部員を集めて、先生を二人、だね」

　由香が何か言いたそうに見えたので二度見したが、またいつもの笑顔に戻っていたので気にしないでおいた。そして誰もいなくなる教室から出た。

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