健人たちの入学とその集合

 さて、そんなこんなで入学式だ。大輝とあった直後、雄治とも会った。

 一緒にクラス名簿を見にいくと、なんと大輝も雄治も同じクラスだった。その時ポツリと雄治が呟いているのが耳に入った。

「これは……必然なのかな。それとも単なる偶然か」

 僕は後者の方だと思っている。でも、知り合い──と言っても出会って数分、または数日だが、が同じクラスにいるほど心強いこともなかろう。


 そして入学式が始まった。あの二人とは出席番号が離れているので、前後左右は赤の他人とも言える人たちばかりだ。このなんとも言えない雰囲気の中で一時間ほど過ごすのはなかなかの苦痛だ。

 額がかなり後退している校長──肇田哲朗の話に始まり、美人な生徒会長──竹永由利ら生徒会本部役員によるスライドショーでの学校紹介。さらに来賓からの長々とした祝辞を聞かされ、終わるころにはほぼ全ての新入学生徒は疲れ果てていた。


 教室に戻るといの一番で大輝と雄治がやってきた。

「まじで話長すぎやろ〜」

「確かに……。卒業式でも聞いたのにさぁ」

 最初の二人の発言はこれだった。

 二人が二言目をしゃべる前に非情にもチャイムが鳴る。

「皆さん、こんにちは。今年からこの高宮城中学校の一年四組の担任になりました、大越克彦です。よろしく」

 担任のそのあいさつから、今年一一年間が始まった。

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