エピローグ~Stand up!~
「スバル、準備はいいか?」
「ああ、大丈夫さ。お前こそ、さっきまで動画なんて見てたが大丈夫か?」
「いやあ、ついつい見ちゃった。」
「っつーか、お前の緊張感どこだよ。
「既にいますよ、ここに。余裕綽々ですね、ユウヤさん」
「うわ?! ツカサ君!?」
「お二人は次の次の番ですよ、そろそろ準備お願いします」
ここはミュージックコンテストの決勝会場の控室。あれから僕達は音楽活動を順調に続け、このコンテストに応募して決勝まで進出した。
「まあ、お二人なら
って、今はスタッフだからあまり特定の人に肩入れできないのですけどね」
「はは、言うね、ツカサ君。学校は順調かい?」
「ええ、いろいろ勉強しています。だから今日もスタッフとして、ほら」
そう言ってツカサ君は胸にかけたパスをひらひらさせた。
「私も潜入しちゃった」
あれ? この声は? 振り返るとよく知る人物。
「レイカさん!? 部外者でしょ?なんで
僕が思わず声をあげる。
「しぃー! 声がデカい、スバル君。ツカサ君に頼んでConstellationの時だけってお願いして潜入させてもらったの」
はあ、なんて大胆な。
「スバル君に会って励ましたかったからさ」
え?!
「レイカさんの頼みだから断れなくて。まあ、誰を見つめてるかわかっているんですけどね。俺、かなり年下だし」
「肝心のスバルは気づいてないけどな。ツカサ君、もうすぐ二十歳だろ?そしたら朝までヤケ酒に付き合うよ」
「ソフトドリンクでもいいです。今度付き合ってください、ユウヤさん」
何かツカサ君とユウヤは話していて気になるが、その前にレイカさんが僕の目を真っ直ぐに見つめて話しかけてきた。
「やっぱり
ランチタイムの楽しみがなくなるのは少し寂しいけど、Constellationにはもっと上を目指してほしいんだよね」
「レイカさん……」
「大丈夫、スバル君ならできる。優勝したら、皆で祝杯挙げようね」
「あ、前のバンドの音楽が終わったな。さ、Constellationの皆さん、スタンバイお願いします」
ツカサ君に追いたてられるように控室を出る。
『次はConstellation。曲は『Stand up!』です!』
「さ、行くぞスバル」
「ああ。」
さあ、行こう。僕らが栄光を掴むのはあと少しだ。
~Fin~
(Stand up!はstyle-3!のアルバム「Lively Colors」に収録されている曲です。)
翡翠の森公園の人々 達見ゆう @tatsumi-12
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