第4話 当事者、ケンカを始める!



 私は掴んだ矢をその場に置いて、エールを飲み干した。


 そして、広げた料理を急いで胃の中に放り込み、空になった皿やエール樽をアイテムボックスに収納する。


 私の動向を探る冒険者共は身構えたまま、その場を動かない。


 先程、私に矢を放った弓使いの少女は、リーダーらしき騎士に肩を揺さぶられている。



「さて、始めますか」



 私は徐に冒険者共に向かって走り出した。


 その動きに即座に反応したのが、おっちゃん女剣士つりめだ。


 二人とも真っ直ぐに私に向かって走ってくる。



「それじゃあ最初はコレでッ」



 私はアイテムボックスから長剣ロングソードを2本取り出し、両手に構える。



「ほう。二刀流か……」


「2本あっても無駄よッ!」



 上段からおっちゃんが、中段から突きで女剣士吊り目がほぼ同時に突っ込んでくる。


 私は勢いを殺さない様にその両方を両剣で受け流し、中央を突破する。



「なッ!」


「むッ…」



 すると、建物の屋根に登った別の弓使いアーチャーが私目掛けて矢を放っていた。


 私は長剣ロングソードを収納し、代わりに弓を取り出した。


 そして、避けるタイミングで矢を掴み、それを返して上げた。



「はぁ? 無茶苦茶だぜ、アレ」



 私の反撃を避けながら、弓使いは何やら戯言を述べていた。



「く、来るなぁーーッ!」



 私の標的は最初に私に殺気を向けた髪飾りの弓使いアーチャーだ。


 真っ直ぐ向かっていることもあり、ようやく自分が標的にされていることに気が付いたらしい。


 一心不乱に私に矢を放って来る。


 集中が乱れた矢が当たる筈もなく、私はそれを避けずただ真っ直に走った。



「おっと。そう簡単には通さないよ」


「……チッ!」



 あと少しで一人目を殺れると思った所で、近くにいた騎士に邪魔された。



「久しぶりだね、カオル君」


「あ? あぁ、あん時の冒険者やさおとこか」



 私の目の前に立ちはだかったのは、冒険者ギルドでエールを奢ってくれたサンディスイケメンだった。


 サンディスイケメン長剣ロングソードと大きい盾を持った、いかにも騎士ナイトといった格好だ。


 私はサンディスイケメンから一旦距離をとった。



「ファイアーボール!」



 すると、火の玉が私に向かって飛んでくる。


 どこからか魔法使いウィザードが魔法を使ったのだ。


 しかもそれは一つではない、違う方向からもう一つ飛んでくる。



「あーもぉッ! めんどくせーなッ!」



 私はアイテムボックスから金属バットを取り出し、火の玉それを来た方向に打ち返した。



「「きゃッ!」」



 火の玉それは屋根の上にいたであろう魔法使いウィザード達に当たったらしく、二人とも悲鳴を上げていた。



「おりゃーーぁッ!」



 息つく暇も無く、大柄の男性おっちゃんが大剣を振り下ろしてきていた。


 私はそれを金属バットで受け止める。



「ほぉ、なかなかの怪力だな」


「そりゃどーもーッ!」



 そのまま金属バットをフルスイングして、男性おっちゃんの脇腹に直撃させた。


 防具を着込んでいることもあり決定打にはならなかったが、取り敢えず男性おっちゃんは吹っ飛んだ。



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【ステータス情報】


 【名 前】 カオル=アサヒナ

 【年 齢】 17

 【職 業】 異世界から来たチンピラ

 【レベル】 17

 【状 態】 通常

 【体 力】 319

 【魔 力】 242 

 【攻撃力】 252 

 【防御力】 184

 【俊敏性】 223


 【スキル】

 空手 Lv.Max 集団統制 Lv.4 料理 Lv.1

 アイテムボックス 鑑定 Lv.1 異世界会話 Lv.1

 剣術 Lv.6 双剣術 Lv.3 投擲術 Lv.3

 底力 Lv.2 狂人化 Lv.2

 挑発 Lv.1 窃盗術 Lv.2 受け流す Lv.1


 New!

 弓術 Lv.1 回避術 Lv.1 打撃術 Lv.1

 道具再利用アイテムリユース Lv.1 装備交換バトルチェンジ Lv.1

  

 【ユニークスキル】

 天才肌じゃじゃ馬 非魔法適正ちからづく


 【装備】

 護身用の短剣ショートソード

 レイザーガントレット

 金属バット【カオル専用装備】


 【装備スキル】

 金属バット:魔法反射ピッチャー返し


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