第8話 元就活生、異世界を楽しむ。



「そーれ、それそれー」


「姐さん。もう飲めないっすよー」



 ダラム達に案内してもらった酒場で、私達は浴びるようにお酒を飲んでいた。


 え? 何? 未成年飲酒禁止法?


 あー、この国は16歳くらいからお酒が飲めるんだって。


 だから私がお酒を飲んでいても問題なしッて事です。



「何言ってんねん。だらしないなー」


「姐さんが強すぎるんですよ〜」



 最後まで私に付き合っていたダラムももう飲めないと突っ伏している。


 ヤヌックに関して言えば、飲み始めてすぐに潰れていた。



「おねーさん! エールおかわりッ!」


「え? 姐さんまだ飲むんですか!?」



 私がジョッキを空にしてから、従業員おねさんを呼ぶとダラムは青い顔をした。



「当たり前やんけ、今夜は飲むでーッ!」



 二人はもう飲めないようだが、私のテンションは上がり続けている。


 ぐったりしている彼らを他所に私は一人でエールを煽っていた。



「お嬢ちゃんイケる口だね、よかったら俺らと一緒に飲まねえか?」



 突然私達のテーブルに、明らかに善良な市民ではないお兄さんゴロツキ達が集まって来ていた。



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【注文履歴】


肉のグリル 銅貨2枚 ×2

炒った豆  銅貨1枚 ×1

エール   銅貨2枚 ×8


※薫4杯、ダラム3杯、ヤヌック1杯


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