第10話 元就活生、本気を出す?
「「兄貴!!」」
周りで飲んでいた子分達が慌てて立ち上がる。
「テメー、何やったのかわかってるのか!?」
「あら! ごめんなさい。手が滑ってしまいましたー」
「「テメー」」
わざとらしく、手が滑ったとアピールしたら余計に彼らは逆上した。
「おい、女ぁあ! 表でろッ!」
エールを頭から被った偉そうな
***
店先はもう遅いこともあり、人通りは殆どない。
「この街で俺に逆らったどうなるか、テメーわかってんのか?」
「どうなるん?」
私は小指で耳を掻きながら尋ねてみた。
それが更に癇に障ったのだろう、
「その減らず口もどこまで持つかな。……やれ」
一言、
勿論、手には
「殺すなよー。俺らで楽しんでから、奴隷商人に売るんだからよー」
「わかってますぜ」
はー。最初の方だけでも小物感が凄いのに、更にその下を行くんですか。
子分はニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、ジリジリと近づいてくる。
そして
そして、そのついでに左足を払う。すると、面白いように転けたので、私はそのまま鳩尾に正拳突きを入れた。
「ぐわぁ」
彼らには一瞬の出来事だっただろうし、攻撃を受けた本人は訳も分からず昏倒したに違いない。
いつの間にか結んでいた私の髪は解け、長い黒髪の間から赤色のメッシュが見え隠れしていた。
「なッ! いいからやれッ」
今度は二人が私の前に出てきた。
待っているのも癪なので、私の方から走って向かって行ってあげた。
そして彼らの目の前で、ジャンプし右側にいた子分の左頬に回し蹴りを入れた。
「うげッ」
「うおッ」
思ったよりも勢いがあったらしく、そのまま左側にいたもう一人も巻き込んで、どこかの店先にあった木箱に突っ込んでいった。
「おいおいおい。マジかよ……」
「なんか、あと三人も相手すんの、めんどいなー」
そう思った私は、まっすぐに兄貴分であろう
勿論、残りの二人も応戦してきたが、あんな
そして、
「えーっと。逆らったらどうなるんやっけ?」
「あ、謝る、謝るから許してくれ……」
「はぁ……だから小物やねん」
私はそのまま彼の顎に上段突きをクリーンヒットさせた。
「き、鬼人だ……」
親分がやられて、二人残っていた筈の一人は戯言をほざいて
もう一人は、路地裏へ逃げてたので、落ちていた得物を拝借して追いかけた。
***
「これくらいやったら、迷惑料ってことでええやろ」
私は逃げた子分から
酒場では、何事もなかったかのように、二人は気持ちよさそうに眠っていた。
「おい、起きろ」
「へ? 何ですかい」
「飲みなおすで」
「えー。まだ飲むんですか?」
「当たり前や、ヤヌックも起こせ」
「ヤヌック起きろ、死ぬぞ」
「はいッ! え? 何ですかい?」
「さぁ、飲みなおすでーッ」
「「おーッ」」
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【今回の撃破した敵】
ゴロツキ(親分) Lv.5
ゴロツキ(大) Lv.3 (逃走)
ゴロツキ(中) Lv.4
ゴロツキ(中) Lv.3
ゴロツキ(小) Lv.1
チンピラ(小) Lv.1 (気絶)
【ステータス情報】
【名 前】 カオル=アサヒナ
【年 齢】 17
【職 業】 異世界から来たチンピラ
【レベル】 4
【体 力】 230
【魔 力】 120
【攻撃力】 130
【防御力】 125
【俊敏性】 120
※スキルなどの詳細は後ほど
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