第8話 お調子者、自分の能力値を知る!



 魔道具の光が収まると、アイヴォンのんべぇは魔道具の下に置いてあった紙を取り出した。



「コレが其方のステータスじゃ」



 私は手渡された紙を受け取り、内容を確認する。




 【名 前】 カオル=アサヒナ

 【年 齢】 17

 【職 業】 異世界から来たチンピラ

 【レベル】 10

 【体 力】 267

 【魔 力】 180 

 【攻撃力】 203 

 【防御力】 156

 【俊敏性】 158


 【スキル】

 空手 Lv.9 集団統制 Lv.4 料理 Lv.1 鑑定 Lv.1

 アイテムボックス 異世界会話 Lv.1

 剣術 Lv.6 双剣術 Lv.3 投擲術 Lv.3

 底力 Lv.2 狂人化 Lv.2


 【ユニークスキル】

 天才肌じゃじゃ馬 非魔法適正ちからづく




 …………。



 『【職業】異世界から来たチンピラ』って何やねんッ!



「ほほー。……んッ!?」



 私のステータスが記された紙を横から覗き込んでいたアイヴォンのんべぇが驚きの声を上げた。



「そ、其方、この世界の者ではないのかッ!?」


「え! マスター、それは本当ですか!?」



 何やら外野が騒がしい。


 振り返って見ると受付のお姉さんさっきのねーちゃんも私のステータスを覗き込んでいる。



「ちょっと待って下さい。この人、スキルの数が尋常じゃないですよ」


「ま、待つんじゃ。それよりもステータス値の方が……」



 2人で盛り上がって、私は蚊帳の外だ。


 仕方ないので、ステータスが記された紙を渡して、しばらく2人の遣り取りを眺める事にした。



「かか、カオル殿。其方、『鑑定』のスキルを持っておるではないか」


「え? それ凄いん?」



 私が首を傾げて尋ねると、アイヴォンのんべぇは鼻息を荒くして力説し始めた。



「鑑定のスキルを持っておる者は貴重な存在じゃ。何せそのスキルで何でも調べる事が出来るからの。カオル殿、試しに『ステータスオープン』と唱えてみるのじゃ」



 私は言われた通り、唱えてみる。



「すてーたすおーぷん」



 【名 前】 カオル=アサヒナ

 【年 齢】 17

 【職 業】 異世界から来たチンピラ

 【レベル】 10

 【状 態】 ほろ酔い

 【体 力】 267

 【魔 力】 180 

 【攻撃力】 203 

 【防御力】 156

 【俊敏性】 178 (ー20)


 【スキル】

 空手 Lv.9 集団統制 Lv.4 料理 Lv.1 鑑定 Lv.1

 アイテムボックス 異世界会話 Lv.1

 剣術 Lv.6 双剣術 Lv.3 投擲術 Lv.3

 底力 Lv.2 狂人化 Lv.2


 【ユニークスキル】

 天才肌じゃじゃ馬 非魔法適正ちからづく




 すると、ステータスが記された半透明のウィンドウが目の前に現れた。



「うわ。めっちゃハイテクやんッ」



 驚く私に、アイヴォンのんべぇは得意げに鼻を鳴らしている。



「マスターマスター。なぜ、マスターはそんな事知ってるんですか?」


「儂は昔、異世界から来た勇者様と一緒に旅をしていた時期があったんじゃよ。コレはその時に教えて貰ったんじゃ。確か、その勇気様は……」



 アイヴォンのんべぇは私のステータスから何やら探す様に指で確認しながら読んでいく。



「おッ! あったぞ。このアイテムボックスというスキルも持っておったのじゃ。鑑定のスキルだけでも珍しいのに、カオル殿はアイテムボックスも持っておられる。これは確実に『勇者様』の再来じゃ!!」



 アイヴォンのんべぇは1人で興奮し、燥いでいた。



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【スキル解説】


【鑑定 Lv.1】

 対象物の情報を閲覧する事が可能なスキル。

 レベルが上がるごとに、閲覧できる情報量が増える。


 自身に使用する事で、状態確認やステータス確認もできる。


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