第6話 お調子者、冒険者ギルドへ行く!
「おーっす。って誰もおらんやん」
私は朝起きて、何も予定がない事を思い出し、二度寝した。
昼過ぎにいつもの酒場へ行くと、店はすっからかんで誰もいなかった。
「姐さん、お勤めご苦労様です」
いや、正確には一人いた。
「何、読んでるん?」
「何って、姐さんが昨日、『お前が読んで説明しろ』って言ったじゃないですか!」
そういえば昨日の帰り際に、
「それで、全部読んだか?」
「今、読んでますよッ!」
取り敢えず、
…………。
「こぉーも、誰もおらんと暇やなー」
一人でエールを煽りながら呟くと、ヤヌックが資料から顔を上げた。
「そういえば姐さん。冒険者ギルドへは行ったんですか?」
「あ、忘れてた」
私は急いで、冒険者ギルドへ向かった。
***
「すんません。アイヴォンのおっちゃんおる?」
私はギルドに入ると、真っ直ぐに受付のお姉さんらしき人に尋ねてみた。
冒険者ギルドの内装は傭兵ギルドと大差なく、食事処の奥に受付が設けてあった。
傭兵ギルドと違う点は、冒険者の連中が
「アイヴォン……あ、ギルドマスターですね。どの様な御用件でしょうか?」
私が受付のお姉さんと遣り取りしている最中にも関わらず、
確かに、町娘の格好で冒険者ギルドの中を
思わず
取り敢えずは、お姉さんの質問に答える。
「アイヴォンのおっちゃんに
「そうでしたか。すぐにお呼びしますので、お名前をお伺いして宜しいでしょうか?」
「カオル」
私が自分の名前を口にした瞬間、騒がしかったギルド内が一瞬で静かになった。
あれ?
辺りを見回すと私に向けられていた殺気は無くなったが、代わりにすごい数の冒険者に視線を向けられている。
そして受付のお姉さんはガタガタと震えていた。
「す、すすぐに……呼んでみゃいりますッ!」
あ、噛んだ。
慌てて受付から飛び出していったお姉さんを見送って、私は先程から気になっていた場所へ向かう。
「い、いらっしゃい」
「おっちゃん。エールくれッ!」
ギルドのフロアの大部分は食事処になっている。
私は注文カウンターへ向かい、エールを注文した。
そういえば、今日はまだ何も食べていなかったので、オススメの料理も注文して、適当な空いてるテーブルに座った。
「んーッ! ここのエールもいけるなーッ」
従業員(おねえちゃん)がエールと料理を持ってきてくれて、私は一人で飲み始めた。
「相席しても?」
すると、私の正面に見知らぬ
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【組織情報】
【冒険者ギルド】
各都市に設置されている冒険者の為の
冒険者と依頼主の仲介業務を主な仕事としている。斡旋している依頼内容は基本的に『対
主に、
【各ギルド内にある食事処】
運営母体は各ギルドが運営しており、他の食事処や酒場よりも少しだけ割安になっている。
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