第3話 お尋ね者、仕事も始める。
「カオルちゃん、いるかい?」
ヤヌックと私が小競り合いをしているとティアーノ商会の
「おッ! ルクレオやん。仕事終わったん? 一緒に飲むか?」
「いや、まだ仕事中だよ。それよりカオルちゃん、『また』お願いできる?」
「しゃーないなー。特急料金貰うでー」
「勿論、報酬はちゃんと」
私は立ち上がり
***
「これがラモンさんの所で、これがボルドさんの所、最後のこれはローズリーさんの所だから、全部場所知ってるよね?」
「これが髭のおっちゃんとこで、これが禿げのおっちゃんとこ、ほんでこれがおばちゃんとこやろ?」
「うん。それとこれが納品書だから、こっちを渡して、受領書にはサインを貰ってね」
「わかったわかった」
この仕事を始めたのは、私がアイテムボックス持ちだと知られたのが切っ掛けだった。
ティアーノ商会は所有している荷馬車の数が少なく、買い付けと定期配達で常に荷馬車は手元にないらしい。
しかし、まれに定期配達外での注文も入る。が、荷馬車がないので納品出来ない。
そんな時、私が現れたという訳だ。
アイテムボックス持ちで、本人が用心棒代わり。
商会からすれば、私は稀に見る
「それと、終わったら一度、納品書持って帰って来てね」
「えー。おばちゃんとこそこやねんから、
「そう言わずに、仕事なんだから」
「けちやなー」
私は文句を言いつつ、
たまにしか仕事はないが、大体一回の配達で銀貨2枚を貰える。
まあ、
私自身、大して苦労せずに銀貨2枚も貰えるのだから、お互いに利益はあるのだ。
「ほな、行ってくるわー」
__________________________________
【カオルの収入源】
・賞金稼ぎからの
・賭博の売り上げ
・配達のアルバイト ← New!
・????
__________________________________
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます