第7話 …………、事情を聞く。
酒場に担ぎ込んだ、ヤヌックは
身体中、痣や腫れが酷かったが、大事には至らなかった様だ。
「誰にやられてん?」
「ヘヘヘ。大丈夫ッスよー」
さっきまで死にそうな声を出していた
「だから、誰にやられたんやって」
「本当、大した事ないんで。姐さんも気に……」
私は
「誰にやられてん?」
すると、ヤヌックは私から視線を逸らし、口を噤んだ。
私はそのまま
「オラ、誰にやられたか聞いてんねん、ボケ。答えろ」
「……ッ。言いません」
私はそのまま
「カオルちゃん、ダメッ! 坊ちゃんが死んじゃうッ」
「おばちゃんは黙っててッ!」
止めに入ろうとした
「おい。質問に答えろ」
「し、死んでも、言いません」
私はそのまま、顔を床に打ち付ける。
「なぁ、誰にやられたんや?」
「だ、だめ……てず」
「あ?」
「いっだら……姐さんが……」
「
そこまで言うと。
ヤヌックは、それ以上何も言わなくなってしまった。
「……チッ」
「はぁ、はぁ……か、カオルちゃんッ!」
私が
「何やねんッ」
「こ、これ! ヴィエンヌ商会から警告文がッ!」
その名前を聞いた直後、
「おい、ルクレオ。
***
私はアイテムボックスから
……ガラ、……ガラガラガラ。
……ガラガラ、……ガラ……。
『………ッ!!』
後ろから、
しかし、私の頭の中には相棒の笑う声だけが響いていた。
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