概要
舞台は大船。商店街の音楽教室。ハートフルな音楽人情コメディ。
現在(いま)を生きる、ハートフル人情音楽コメディ。
舞台は神奈川県、横浜市と鎌倉市の境目の街・大船。
平(たいら)ミノルは二十九歳。その生涯の半分以上をヨーロッパで過ごした経歴を持つ。
海外に永く暮らすが故に自分の居場所は日本にあると確信した彼は、五年前、一念発起して故郷の商店街で『平音楽教室』を開くことを決意する。
家にはもう一人の人間――黒江さんという、常に和服姿の若い女性がいた。ふとした切っ掛けからミノルの家に居候することになった彼女は、弦楽を教える傍ら、ミノルの身の回りの世話や教室の運営に深く携わるようになっていた。
魚屋の銀蔵爺さん、警察官の室井、女子高生萌々香、インドネシアからの出稼ぎの黄戦士――
彼らはひょんなことからミノルと知り合ったり、その悩みを打ち明けたり
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!神奈川県民でなくても一読の価値あり。
何を置いても最初に私が抱いた感想は、「この人と飲みに行きたい」というレビューとしてはなんだかよくわからないものである。
舞台は大船。京浜東北線の終着駅にして東海道線や横須賀線も走っている。大船が生活圏内の私としては、舞台になっているだけで筆舌に尽くしがたい(と言ってもレビューしているのだが)親近感を覚える。言い回しも独特で登場人物それぞれの持つ個人史がきちんと性格に反映されている点なども読んでいてほぉ〜〜となるのだが、この作品の最も特筆すべき点は著者の知識量とそれをまとめる論理的思考である。
海外の事を書く場合、必ずと言って良いほど著者に渡航の経験があるものだが、海外にいたときに考えていたこ…続きを読む