天命刹歌 第28話 神境・霊長の碑殿


「来る」

《システム内に異常を確認しました。

原因特定、外部からの侵入を検知。

迎撃プログラム起動、スタンバイ。

仮想戦闘環境セット。フィールド生成完了。

適性体コンタクト》


ディスプレイのような板、碑板が並んだ立方体の空間内に到着した。

新規に生成された空間内に何かが発生した。いや、発生し続けている。

その、何か。

データで構成された迎撃プログラムが発生するや否や一行に襲い掛かってきた。


「応戦?」

「交戦?」

「……」

彼女はふと抱いた違和感に思考を巡らせた。

まるでどこかから観察されているような、とそこまで思考したところで。

「どうしたの?」

「どうかした?」

不審に思われて声をかけられる、彼女は思考を中断した。

「いや、なんでもない。先に進もう」

プログラムの必死な攻撃は意にも介さず手を翳す。

迎撃プログラムは食べられてしまった。

「不味い」

一瞬であった。生命と寝食を、ではなく侵食を司る神格は伊達ではない。

「「味あるの!?」」

生命力を食らうカミであるので、

無機質で単純なエネルギーでは味気がないのだろう。


自動生成された迎撃プログラムはあっけなくその役目を終えた。


《迎撃プログラムとの戦闘リンク消失。

適性体は未確認の攻撃方法を使用していると考えられます。

適性体のデータ分析完了。攻撃プロトコルを再構築。

プロセス最適化フェーズへ移行。第1次防衛ライン突破されました。

適性体、第2次迎撃プログラムとの戦闘を開始》

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天空刹歌 Shine all around rain 天宮詩音(虚ろな星屑) @AmamiyaSionn

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