天命刹歌 第11話 Stella After

始まりの星、私によって生み出され、世界によって終わらされたその星。

確定した終わりから、大分時間が経っていた。

その位置は、奇しくも故郷と寸分違わず。


贖罪のためという方便を用いた、自己満足。

7つに分割されたそれを、再構築する。


大分、熱量が減った、赤く輝かない太陽を、作成した。

じきに、明かりが灯るだろう。


1つ目の星を創った。

ほぼ全てを水で覆ったその星を。


2つ目の星を造った。

ほぼ全てを大気で覆ったその星を。


3つ目の星を作った。

懐かしき我が紅き星ふるさとを。


4つ目の星を創造った。

かつて見た荒野のように、争いの果てを示す赤陸。


5つ目の星を造成った。

3つ目の星のためだけに、周辺の塵を束ねた。


6つ目の星を創作った。

3つ目以外のためだけに、バランス調整を集めた。


7つ目の星を失敗った。

始まりの蒼さを再現しようと、空の色に変わった。


8つ目の星を成功った。

輝きが足りないものの、そこそこ満足した。


9つ目の星をつくった。

余った材料を2つに分けて、それぞれ形作っておいた。


神は世界を7日でつくったという。

しかし、実際やってみると太陽系で7億年かかった。

まあ、構想を含めなければ一瞬で完成したのだが。


完成後、帰路につく。

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