天命刹歌 第15話 迷えるカミサマ。

葛藤、おもにその選択が避けがたく、どちらの選択においても同等程度の損あるいは得が発生する場合、選択の妥当性や確実性を検討し、勘案するときに思考する時間においての感情変化による人体の思考停止現象のこと。

多くの場合、与えられたストレスに対する葛藤の場合に用いられる。


迷走、進むべき道筋に対し、有効、或いは最善の行動がわからないときに、やけになって暴走すること。

無意識的な場合、意識的であるが止められない場合、意識的に暴走する場合に大別される。

その中では初めの場合は、後々に黒歴史と呼ばれる経験談の一つとなって羞恥を伴う感情の暴発が引き起こされる場合がある。

まれながら、冷静になると酷く無気力感を伴う自信喪失が引き起こされる。


その、稀な事例に引っかかったカミサマがいた。


「いったい、私は何をやった?」

帰還後、太陽と月が21回巡った日に、それは冷静になった。

———ノリと思い付きで恐ろしいことをしたんじゃないか。

今更すぎる。

というか現在進行形でしている。


「……すべて壊してなかったことに」

なると思うのだろうか。

「……いっそここまで来たら最後まで突き抜けて」

それを世間ではやけっぱちという。

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