天命刹歌 第2.5話 SF(スペースファンタジー)

この世界に降り立って幾年月、宇宙にもようやく星々が煌めき始めた。

発電銀河星雲群を利用した大規模電力インフラ確立作戦、通称ケラウノス。

正直、頭の中だけで能力演算を完結させることが不可能になってきた。

能力演算補助用に新規設計、並びに製造されたスーパーコンピュータ、

開発コード001仮名称『ZEUSU』の莫大な電力消費を賄うため、

宇宙からリソースを引きずってくることがその要約である。


宇宙には、ビルケランド電流と呼ばれる莫大なエネルギーが漂っている。

フィラメントのような細長い形に収束し、その中を流れるその電力。

私には自由自在に操作できない。

考えてみれば自分の髪の毛を自由に操作できるわけがない。

加えていうなれば、体についた余計な贅肉といったところである。

その有効活用と称した下見。

と世界の視察、正直こちらがメインである。


莫大なマテリアル構成試作。

テクスチャシステム自動生成。

基本骨子構造体のメンテナンス。

仮想天体運動自動修正プログラム。

高密度大気組成の定常化。

システム構成の大まかな形は定まっている。

後はそれを演算するだけなのだが。


はあ、術理構成の変革に伴う関係の妥当性担保がまさかこれほど面倒だとは。

ただ黙々と作業を行えるこの体には感謝したい。

しかし、ちょっとうつらうつらしてきたな。


適当になっていないだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る