天命刹歌 第27話 揺らぎ、揺れる。
概念レベルで光が存在しえないはずの回廊には3つの色があった。
その灯火は魂、ハードレベルからソフトレベルへの変換。
世界の物理層を超えた一行は、その出口へと運ばれていく。
観測は終わらない。
魂は運ばれて出口へとたどり着いた。
その場所は全てが虚構。
虚数の狭間、深淵の楼閣。
存在しないが故に存在する機構。
いわゆる、戦闘パートである。
「防衛システムの発動を検知、これ以上の介入は無理そうね」
ネットワークがシャットダウンされ全機能がスタンドアローンに動き始める。
彼女はシステム的なリソース管理のための情報閲覧権限を持ってはいる。
しかし実際にそれをシミュレートする機能は備えていない。
干渉は一時的に警戒リソースをさりげなく反らすくらい。
役割分担された歯車は無力であった。
「あとはデータクリスタルが繋がれるのを待つ」
何よりもデータに自立する知能は手を組む。
それが気休めにもならないと知っていて。
それは人工である以上有り得ないものであった。
「頼みましたよ、主の娘」
———不明な敵を検知しました、これより迎撃プログラムの実行を開始します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます