天命刹歌 第10話 天空桜華・詩曲

世界に異変が起こった。

を感知できたのは私だけで、それに対処するのはカミサマの役目なのだろう。


今、手を伸ばす。

世界を繋ぐ、一筋のヒカリ。


その行方は、遥か遠く、向かう先は。


「星、なのか」


青い、碧い星だった。


「これが、始まりの星」


無重力の中心に、世界の中心に輝くそれ。


「なるほど、私達カミサマに手を伸ばすか」


光なき、この大宇宙に、たった一条の閃光が煌めいた。


階段を駆け上がろうとするその意志。

そう、その心意気だけは歓迎したい。


「でも、悪いけど、自浄作用が働いた」

世界ワタシを維持するために、セカイを動かす防衛本能。

「桜花、

バリア的な何かでそのエントロピーを防ぐ。

右手に光が満ちる。

この身に余るその力、契約の柵に縛られた黄金の白銀刀が右手に形成される。


「天空桜華・詩曲」

黄金の鞘から白銀を抜く。

その居合で、閃光は蹴散らされた。


「——Wonderful heaven symphony」

横、7閃。


振動など有り得ない真空に、風切る音が響き渡る。

概念の域に達したそのは、星を割る。


「如何せん、不完全な攻撃で済まないな」

完全な制御ができているなら、真っ二つに切り裂けた。


そう、崩れるように霧散していくその形は、7つの線のよう。

7つの一撃が均等に、ぶれた。

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