12月1日から応募開始となる第8回カクヨムWeb小説コンテスト。
賞のひとつである「映画・映像化賞」の受賞作品は、推薦した映像企画制作部門が担当となって、映像作品として発表することを目指します。
映画・映像化賞は、選考委員が期待する以下2つのテーマいずれかに沿った作品、または実写映像化に相応しいと思われる作品が選出されます。
現代が舞台または現代性のあるストーリー展開で、
①「ラブ×◯◯」なラブストーリー (◯◯には、お金、スポーツ、タイムリミット、近未来、密室、サバイバルなど、既存のジャンルにとらわれない要素が入ります)
②「ホラー×◯◯」なホラー作品 (◯◯には、恋愛、結婚、お金、スポーツ、タイムリミット、近未来、密室、サバイバルなど、既存のジャンルにとらわれない要素が入ります)
※物語の掛け合わせ要素として、「ジャンル」(サスペンス、ミステリ、アクション等)を入れることはもちろん歓迎ですが、ジャンルとは別の新しい「◯◯」を期待しています。
以上を踏まえ、選考を行う映像企画制作部門がどのような作品を求めているか、さらに踏み込んだインタビューを実施しました。
作品の映画・映像化を目指す皆さまは、ぜひご覧ください。
カクヨムコン8「映画・映像化賞」選考部門インタビュー
―― まずは映像企画制作部門の紹介と、カクヨムコンの選考に参加した背景を教えてください。
映像企画制作部門は、主に実写映画、配信ドラマ等の企画・制作をしております。企画から資金調達、スタッフィング、キャスティング、宣伝プロモーションなど劇場公開(配信開始)・二次利用までの全てを各プロデューサーがみています。
近年は小説・映像共にネットでの発表の場所も増え、多くの才能を持った人達の表現する機会が増えたと思います。時代を投影し人々を奮い立たせるような作品は、時代に合った「カクヨム」のような場にこそ集まっているのではないかと思い、参加させていただきました。
―― 募集テーマは「ラブストーリー」と「ホラー」で、既存のジャンルにとらわれない要素が入る事を期待…とありますが、このように設定された狙いを教えてください。
時代の変化と共に表現の多様化も進んでいる中で、それでも人々の心をつかむのは普遍的なテーマだと思っています。
「ラブ」や「ホラー」という定型に現代性を掛け合わせた時の化学反応がみられる作品に出会いたいと思い、このように設定させていただきました。
―― 昨年の第7回カクヨムWeb小説コンテストの講評では、『五人の幼馴染』と『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』が可能性を感じる作品として挙げられていましたが、改めて評価した点を教えてください。
メリハリのあるストーリー展開、ドラマ性、一つのジャンルにとらわれない表現力などを評価しました。
また、2作に共通されるのは、タイトルから連想される先入観を壊してくれる意外性が待っていたところです。続きが気になる展開の中で、最終的にどこへ連れていかれるのかわからないという点が、映像化した時のテンポや観客への裏切りを期待できる要素だと感じました。
『五人の幼馴染』は登場人物の抱える問題や疑問が随所に散りばめられており、ストーリー展開にメリハリもあり、とても魅力的でした。ラストのどんでん返しも含め、全体を通して高いドラマ性がありましたが、「映像化」という意味ではエンターテイメント作品としての外連味を加えても良いのではないかという意見もあり、受賞次点とさせていただきました。
『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』は大変読みやすく、ホラーというジャンルに恋愛、青春も掛け合わされた小説でした。一つのジャンルにとらわれずに、表現する姿勢がとても好評でした。映像表現が浮かびやすい分、映画化する必然性になるフックがもう一つあるとより良いなという意見がありました。
参考:映画・映像化賞 選評
―― 上記の作品について、「映画化する必然性になるフック」「エンターテイメント作品としての外連味」があると良いのでは…と講評されていましたが、なぜこれらが必要なのか、もう少し詳しく教えてください。
観客にとって、映画やドラマなどに映像化される際のポイントの一つに「小説がどのように映像に変換されるのか」という興味があると思います。これは映像化に限らずですが、数多ある作品の中から手に取ってもらうには、人々がそれを見なければならない理由が必要です。
特に映画は、お金を払って、決まった時間に決まった場所に行かなければいけないというハードルの高いものです。「いま確認しなければいけない」と思わせる要素は今描くべきテーマだったり、表現方法の新鮮さだったり、様々だと思います。
―― 応募者はどのような視聴者を想定して作品を書けば良いでしょうか。作品を映画・映像化する際、メインターゲットとなる視聴者のイメージを教えてください。
カクヨムは新時代の表現の場だと思いますので、映像化におけるメインターゲットのイメージも若年層になるのではと思います。
ただ、ターゲットの想定はある程度は大事なことですが、その前に、書き手としてどうしても描きたいという情熱が前提にあったほうがよいと思います。
―― 応募作品の選考は、実際にどのような形式で行われるのでしょうか。また、選考過程で映像プロデューサーの目を引くポイントがあれば教えていただきたいです。
数名のプロデューサーチームで目を通させていただいた上で議論し、選考させていただきます。目を引くポイントは「情熱」です。
―― 最後に、第8回カクヨムWeb小説コンテスト応募者へのメッセージをお願いします。
自分がこんな小説なら読んでみたい、面白いと信じるものをぜひ楽しんで書いてください。そんな作品をお待ちしております!
インタビューは以上となります。映像企画制作部門の皆さん、ご回答ありがとうございました。
ご覧いただきました皆様は、「映画・映像化賞」の受賞を目指して、第8回カクヨムWeb小説コンテストに奮ってご応募ください。お待ちしております。