ユーザーと一緒に選ぶ賞だからこそ、従来の小説観をくつがえすような作品を――カクヨムコン新設賞インタビューVol.3

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ユーザーと一緒に選ぶ賞だからこそ、従来の小説観をくつがえすような作品を!
第7回カクヨムWeb小説コンテスト 注目の新設賞!
第3弾 ホラー部門篇 文芸単行本編集部インタビュー



昨年の応募総数が15,000作品に迫り、受賞作はなんと108作品!          (※大賞、特別賞、CW漫画賞、短編賞、佳作などすべて含む)

いまや名実ともに日本最大の小説新人賞となったカクヨムWeb小説コンテスト、通称カクヨムコンが、今年も12月1日(水)から始まります!!

賞金総額600万円、受賞者はKADOKAWAからの作家デビューの道がひらけるこの豪華コンテストですが、今年はさらに新設賞、上乗せ特典、新規選考参加編集部など、見逃せない新趣向を、盛りだくさんご用意しています!!

今年から加わったのは、ホラー部門
角川文庫編集部、角川文庫キャラクター文芸編集部、角川ホラー文庫編集部、文芸単行本編集部、と文芸系だけでも4部署が選考に加わっています。

いまやジャパニーズホラーの代名詞ともなった『リング』『呪怨』はじめ、角川といえばホラーというイメージが定着するほどベストセラーの数々を輩出しています。今年はカクヨム上で、芦花公園さんの作品がバズったのも記憶に新しいところです。
くわえて、映像プロデューサー、タテスクコミック編集部などからもメディアミックス化の熱視線! 

オカルト、ミステリー、スプラッター、サイコパス、学園ものからファンタジーまで、”怖さ”の懐はどこまでも深い――ぜひ、インタビューからヒントを得て、カクヨムコン応募への意欲を燃やしていただけたら幸いです。

文芸単行本編集部インタビュー

Q1;文芸単行本編集部は、どのような編集部ですか?最近の話題作なども教えてください。

おもにエンターテインメント系のフィクションやエッセイなどを編集しています。最近では、直木賞を受賞して話題になった『テスカトリポカ』(佐藤究)や山田風太郎賞を受賞した時代小説とミステリの見事な融合作品『黒牢城』(米澤穂信)、野性時代新人賞を受賞し早くも多くのファンを獲得しつつある『君の顔では泣けない』(君嶋彼方)、いくつもの仕掛けが張り巡らされた就活ミステリ『六人の嘘つきな大学生』(浅倉秋成)などを刊行しました。今回ともに選考に参加することになった角川ホラー文庫編集部や角川文庫編集部とは同じオフィスで協働して企画を進めています。

Q2;横溝ミステリ&ホラー大賞も、カクヨムから応募できるようになったんですよね! 今回、カクヨムWeb小説コンテストのホラー部門に求める作品は、既存の新人賞となにか違いがあるものでしょうか?

そうなんです、いまは横溝正史ミステリ小説大賞と合併して名称が変わりましたが、かつて「日本ホラー小説大賞」という賞がありました。『パラサイト・イヴ』(瀬名秀明)、『黒い家』(貴志祐介)、『ぼっけえ、きょうてえ』(岩井志麻子)、『庵堂三兄弟の聖職』(真藤順丈)、『ぼぎわんが、来る』(澤村伊智)など大賞を受賞して話題になった作品のほか、『ホーンテッド・キャンパス』(櫛木理宇)、『記憶屋』(織守きょうや)などシリーズ化、映像化した作品も多くあります。 このように「日本ホラー小説大賞」と「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」がKADOKAWAのホラー小説のイメージを作りあげてきたといえますが、カクヨムコンは選考委員の作家ではなくユーザーのみなさまと編集者が選ぶ賞です。「こんなホラー小説もアリですよね」と思わせる、従来のホラー小説観をくつがえすような作品をお待ちしています。

Q3;たしかに、ユーザーの中間選考を通過するカクヨムコンでは、既存の小説新人賞とは異なる作品に評価が集まる可能性もありますよね。いずれにしても、作品を書く上で、どんな点に気を付ければいいでしょう?

「エンタメ小説としていかに面白いか?」――つきつめると、この一言に尽きると思います。「怖さ」を演出することに気を配るあまり、起承転結や物語のなかのリアリティを軽視しないようにしていただきたいです。怖い場面をこれでもかと重ねるよりも「何かがじわじわ近づいてきている」ほうが多くの人は読んでいて「怖い」と感じるのではないでしょうか。そして「残虐さ」は「怖さ」とイコールではないので、ご注意くださいませ。

Q4;なるほど。特設ページで参考書籍に挙げられていた『ぼぎわんが、来る』などは、まさにじわじわ近づいてくる背筋のうすら寒さが強烈です。ほか『ホーンテッド・キャンパス』『異端の祝祭』、具体的にはどのあたりが注目ポイントになりますか?

ここに挙げた参考作品には共通点があります。それはキャラクターの強さです。『ぼぎわんが、来る』の比嘉姉妹は続篇にも登場し、シリーズとなっています。『ホーンテッド・キャンパス』もシリーズ化されて長く続いています。魅力的なキャラクターは物語の強力な支えとして機能し、「続篇を読みたい」「映像やコミックでも見てみたい」という気持ちにさせてくれます。魅力的な登場人物を創造することに心を砕いていただきたいと思います。

Q5;カクヨム文芸部が発足したり、横溝ミステリ&ホラー大賞の窓口が設置されたり、最近は、ライトノベルジャンルだけではなく、文芸領域でもカクヨムが活性化してきていますね。

はい、読者に近い視点で小説を書けること、それがカクヨムユーザーの強みです。実際に、既存のルートからは生まれなかっただろう作品が次々とベストセラーになっています。「読むこと」と「書くこと」が両端にあって一方通行だったこれまでの構図に対して、カクヨムでは「読むこと」と「書くこと」が互いに作用し高めあっているように思えます。こうした新しい場から、これまでにない斬新な小説が生まれることを私たちは期待しています。

Q6;では最後に、応募者に向けて、編集部からのメッセージをひとことお願いします。

書くことは孤独な作業だといわれます。しかしカクヨムには執筆中からあなたの書く作品を楽しんで応援してくれる人たちがいます。今回のカクヨムコンをきっかけに、私たち文芸単行本編集部もその輪に加わりたいと願っています。力作をお待ちしています!

――本日はありがとうございました!!

今後も、カクヨム運営は、社内のさまざまな部署と連携しながら、第7回のWeb小説コンテストを盛り上げていければと思っております。ユーザーのみなさま、ぜひ奮ってご応募くださいね。

次回、第4弾はタテスクコミック編集部のインタビューをお届け予定です!どうぞお楽しみに。

第7回カクヨムWeb小説コンテストの応募要項はコチラ
カクヨムWeb小説短編賞2021の応募要項はコチラ

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