概要
大海原に広がる安全な航路と、大衆の行く末
海に浮かぶ孤島に立つ、古い灯台
その場所は隣国との領海を接する場所だった
三国の異なる背景の中で
世間からドロップ・アウトした男は、隔絶されたその場所で
何を思い何を綴るのか
彼が出会った女性の言葉と想像力の可能性
未来への願いとは
今の地球とは少し違った世界線の
仮想地球を舞台にした戦間期物語
変態天川が再び挑戦する、社会派SF
と言っても、SF要素はゼロです
ですが、もとはこういう作品がSFだった
という郷愁と願いを込めて
……世がコン! で盛り上がってる最中に、なにやってんだか💦
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!広い壮大な世界の中の小さな箱庭。どんなに複雑な社会でも悩みは単純かも?
最後まで読んでのレビューです。
まず一言、非常に面白いです。
ジャンルはSFとなっていますが、普通に現代ドラマとか恋愛でも良さそうです。
架空の世界が舞台ですが、そこには、現実の社会の問題や、衝突等が丁重に書かれていて、世界設定がしっかり練り込まれている重厚感を感じます。
それが、リアルを感じさせるんですが、舞台は殆ど小さな灯台のある島だけ。
出てくる人物も、ほぼ主人公とヒロインだけ。偶に主人公の上司が少しと言う構造です。
そこで、文化や国の違いなどをお互い感じているのですが、案外人間の問題はシンプルかもしれません。
足るを知る事が出来れば、後は愛があれば良いのではないか?と言うメ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!孤独な魂が、出会ってしまった。その行く末は―――。
物語に、こんな豊穣な感情を持たせることができるんだと、感動しました。
最後まで、先が読めなかったです。
孤独を好む灯台守の語り。
変わらない毎日に飛び込んできた、偶然。
葛藤の末、灯台守である彼が下した決断。
そして・・・・・・。
広くはない空間にこもる声が再生されるような、
独特の語り口。それは朗読のようでもあり、どこか作者様によるナレーションを聞いているようでした。しんと心に響く声です。
人の難しさを描きながら、正解、そして幸福を模索する、人の苦しさ、愛おしさを描く。
難しい作業。このように静かに丁寧に紡ぎ出し、この読後感に導いてくださった作者様の努力と力量に、感服いたします。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本を読み、書く。それはまるで、人生の道を照らし、光で包む灯台のような。
世界の片隅を照らし続ける灯台。そこで灯台守として長く働いている主人公。
ある日、そこに一人の女性が流れ着き……。
緻密な織物のように丁寧に紡がれた物語は、「SF」というジャンルの中で、人の細やかな心の動きや秘めた想いを鮮やかに描き出しています。
異なる国、異なる環境で生まれ育った主人公と女性を結びつけたのは、一冊の本。
その本が鍵となって、本を読むこと、物語を書くことの意味や喜び、さらにその先にあるものが広がっていく。
このあたりは、読むことや書くことが好きな方なら、きっと心を揺さぶられると思います。
そして二人は、やがて。
現実世界で起きていることにも通じるような問題に、鋭く切り込…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生まれた国や育った境遇、そこで生まれた価値観の違いも越えて。
読後に清々しい気持ちになれる、素晴らしい作品です。
この作品はジャンルをSFと設定されていますが、舞台を仮想の場所に置き換えてあるだけで現代ドラマでもあるし恋愛ドラマでもある、そう思って読んでいただいた方が良いのかなと思います。
海の国境線沿いにある離島の灯台でたった一人、灯台守として暮らす主人公。そこに、仮想敵国から流れ着いてきた一人の女性。連絡船が来るまで保護する事となった期間の間に二人は様々な対話によってお互いの価値観をぶつけあい、理解しあっていく。その先にどうなるかは読んでみてのお楽しみです。
印象的だったのは作品の中に二人が共通して愛読していた一冊の本が登場する事。人は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたはきっと、わたしの、ひかり。
読みたいものを読み、書きたいものを書く。
こちらを覗いてくださった皆様は、おそらくこのどちらか、または両方をなされている方であると存じます。
読みたくないものを、と書きたくないものを、であるとしても、それを選ぶ権利は、ほぼご自身に。
本作の主人公、軍籍の灯台守の住む世界は、そうではございません。
孤独は安らぎ、貴重な書物を読む時間は、代えがたきもの。
そこに漂着した女性は、彼と同じ書物を宝物としていて。
書くこと、読むこと。それは国籍や思想、お互いの立場を超えるのか、否か。
ご興味をお持ち頂きましたら、どうぞ、ご一読なさってご確認くださいますようにお願いいたします。確信を持ちまして、お薦…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一冊の本の中にあった灯明
1803年に常陸国に漂着した虚舟(うつろぶね)の中には箱を抱えた女がいた。
女は箱を手放そうとしない。
きっと不義密通をはたらいたのだ。男は国で斬首され、女は海に流されたのだ。そう述べる者もいた。
異国の女が抱えて離さなかった箱。その中には男の首が入っていたのだろうと。
女を乗せて海を流れてきた虚舟。
舟を描写したものを見れば、その形状はUFOのようである。
このように、女を乗せて漂着する舟というものは、それだけで人の想像をかきたてる。
灯台守として島に籠もっている男は或る日、海原を超えて外国から陸に辿り着いた女を引き上げる。
国を違える彼と彼女。二人には或る共通点…続きを読む