概要
【あらすじ】
並行する世界か、文明崩壊後の遠い未来か。
怪異を暴く王太子直属機関『破迷司』の若き役人・杜天佑は、雷神を名乗る謎の男・雷嵐と出会い、『首吊り鬼』事件の捜査に挑む。噂や迷信を否定し、理と証拠を重んじる雷嵐とともに、杜天佑は事件の裏に潜む陰謀と超常現象の真相を追う。やがて国の権力闘争に巻きこまれ、己の正義と過去に向き合うことに。亡霊となった幼なじみ、江若雪の真意に触れた彼は、静かな別れと再生を胸に、新たな一歩を踏みだす――。
【参考文献】
◎書籍◎
・聊斎志異/著:蒲松齢/訳:黒田真美子/光文社古典新訳文庫
・タ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人✕神✕幽霊――三人(?)が怪異と陰謀に挑む!!純粋な愛と別れの物語。
【こんな方向け】
☑丁寧な筆致で描かれる中華ブロマンス・ミステリーを読みたい方
☑中華モノって難しそう……でもその雰囲気を味わってみたい方
☑美しくもの悲しい人と人の心の物語を読みたい方
【あらすじ】
亡き幼馴染・江若雪の幽霊に憑かれた青年・杜天佑。
“幽霊の花婿”として江家に迎えられた彼は、王太子直属の怪異捜査機関「破迷司」で働いている。
しかし、世を騒がす連続殺人「首吊り鬼事件」で、彼自身が容疑者として疑われてしまう。
絶体絶命の天佑を救ったのは、「神」を名乗る謎の男・雷嵐。
彼との出会いが、幽霊、怪異――そして王国を揺るがす陰謀を暴く扉を開く。
果たして、首吊り鬼の正体は?
そし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!文化が詰まった中華推理小説、初めての方にもおすすめです!
中華ファンタジーを読んだことがないという方にはぜひbabibuさんの作品を読んでもらいたい。とても分かりやすくて中華らしさを満喫できる、わたしのような中華ファンタジー初心者にもおすすめの書き手さんです。
日本と中国では文化やものの考え方が違っていて、中国ならではの言葉が登場する。それを調べながら読むのも非常に楽しくて、たとえば凶宅(殺人事件が起きた家のこと)、埋酒(酒を土のなかに埋めて熟成させること)、鬼求代(首吊りや溺死などの死者が自分の代わりを見つけるまで往生できない)、他にもへええそんな言葉があるんやとのこと目白押しです。
ほんのりファンタジーを交えつつ、納得できる物語としてのリアルな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!華麗な推理で怪奇を紐解く 美男バディ爆誕の中華ファンタジー
主人公は王太子直属機関『破迷司』に勤める、杜天佑。
読んで字のごとく『迷信を破る』、つまり、巷で囁かれる摩訶不思議な怪奇事象を捜査する機関の役人……にも関わらず、幼馴染で美人な幽霊の奥様を連れ、自称『雷神』の美男と同居する羽目になり、自身には『首吊り鬼』の嫌疑までかけられてしまいます。
実は一番『摩訶不思議』を引き連れて歩いている、巻き込まれ体質の青年です。
本人は至って真面目で穏やかな性格。
ついつい助けたくなってしまう気持ち、わかります!
助っ人の自称『雷神』、雷嵐は闊達で美丈夫。推理力も武力も一級で、とても魅力的で頼りになる男性です。
幼馴染の亡霊、江若雪もピタリと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!リアリストなのに自称:雷神? 不思議な縁が結んだこの出会いの意味とは?
杜天佑は、わけあって資産家・江家の養子になった。それは少し前に亡くなってしまった幼馴染である江若雪と、莫大な結納金と引き換えに「幽霊の花婿」になることを余儀なくされたからだ。しかしその後、江若雪の幽霊が杜天佑に取り憑いてしまうことに····。なにをしてくるでもない幼馴染の幽霊にも慣れてきた頃、江家との縁を頼りに、王太子直属の機関・破迷司となり、世間を騒がせている連続殺人――『首吊り鬼事件』を調査することになるのだが····。
『首吊り鬼事件』を追う中で、ある運命的な出会いが待っていた。上司に犯人と疑われ、自身もピンチに陥ったその時、自らを「雷神」と名乗る謎の男・雷嵐が現れる。ふたりは『首…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪異と陰謀と、めぐる縁と再生の物語
莫大な結納金と引き換えに『幽霊の花婿』となった美しき青年、杜天佑。怪異を暴く、王太子直属の機関に勤める彼は、世間を騒がす連続殺人『首吊り鬼事件』を追っているのだが……
どこかおっとりとした主人公の杜天佑と雷神を名乗る謎の男、雷嵐、そして幽霊となって杜天佑に憑いている幼なじみの江若雪という、ちょっと不思議な三人組(?)が挑む中華怪奇ミステリー。
超リアリストな雷神さまは、見せかけの怪異などには騙されません。ばっさばっさと小気味よく真相を暴いてゆきます。
そして最後の最後、すべての謎が明かされたとき、亡霊となってしまった江若雪の未練もあきらかに。彼女の想いに胸が熱くなります。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪力乱神の謎を解き明かし、真実を突き止める
亡くなった幼馴染と死後に婚姻関係になった主人公が、雷神だと名乗る男と協力しながら様々な怪異絡みの事件の謎を解いていく、ちょっと不思議なミステリーです。
主人公の杜天佑は、王太子直属機関に所属しており、さまざまな怪異の事件を解決せんと奮闘しています。
杜天佑とともに行動する雷嵐は、冴えわたる推理で杜天佑をサポートし、てくれる頼もしい相棒です。
さらに彼は自らを雷神だと言っており……?
怪異な事件、だけど不思議だけでは解決にはならず、怪異の向こうにある真実を雷嵐が鋭く暴く様子が爽快です☆彡
そして、様々な怪異と真実の執着地点に辿り着いたあとのクライマックスの余韻が、読み終えたあとも心に残りま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幽霊に憑かれた男と、その幽霊が見える謎の男が織りなすミステリ作品です!
資産家の養子になった美しい青年・杜天佑は、王太子直属機関『破迷司』の役人。
彼は『首吊り鬼』事件の捜査を任されます。
この作品、主人公のキャラ設定が興味深いのです。
少し茫洋とした所のあるが憎めない性格で、人が良い。
そんな彼は莫大な結納金と引き換えに、「幽霊の花婿」となります。そして、彼しか姿が見えない亡霊令嬢にとり憑かれたまま、事件解決に向けて働きます。
普通のホラーミステリーぽい仕立てと思った、あなた。
違います。
いろいろ違います。
幽霊の存在は杜天佑しかわかりませんが、しかし、その幽霊がみえる男があらわれるのです。
名を雷嵐。
このキャラがね、魅力的なんです。自らを雷神と…続きを読む